今は思索を巡らす時間(とき)…忙中閑あり!?
5月11日は各地で30度を超える暑さになりました。
一気に夏到来ですね。
1回目のブログで紹介した大学1号館前の薔薇は、今は大輪を咲かせています。
真っ赤な薔薇です。
学科教員ブログリレーも2周目に入り、先生方も次の話題を模索中と思います。ブログリレーは、途中のフライングも飛び込みもOK、順番ではない先生も学生の声も載せていくことになりました。
写真1 大学1号館前の薔薇はもう大輪を咲かせています
さて、2周目は何を書こうか…と。
2018年師走の慌ただしい最中、金沢に所用があったついでに、これまで訪問してないところに赴きました。最初に金沢文芸館・金沢五木寛之文庫を訪ねました。ここは以前から建物が気になっていました。2004年に国の有形文化財に登録された建物は、通りに面する角の一等地にあり、一瞬入りにくい感じもしましたが、レトロな雰囲気にたちまち吸い込まれました。五木の著書、執筆関連がずらりと並ぶ書棚は圧巻でした。今、五木の著書『大河の一滴』(1999年幻冬舎)はブームになっているそうです。先行き不安なこの時代に思索を巡らす時間を与えてくれる1冊かもしれません。
学生の皆さんの世代では知らない小説家になっているのかもしれませんが。
次に訪ねたのがお目当ての鈴木大拙記念館でした。建物は谷口吉生設計で実にシンプルで凛とした佇まいでした。雪つりに覆われた樹木と建物の対比が実に美しい。
建物内部はそんなには広くはありませんでしたが、一つひとつの空間とそれを繋ぐ廊下を一歩一歩進んでいく中から、次第に大拙の世界観に触れることができるのです。
水庭園を眺めながらいつまでも長く居たいし居られる空間でした。かなり長く、多分3時間ぐらい滞在していたと思います。
写真2 鈴木大拙記念館パンフレットより
写真3 鈴木大拙記念館建物外観(瀬沼撮影)
写真4 館内の水庭園(瀬沼撮影)
鈴木大拙館ホームページ https://www.kanazawa-museum.jp/daisetz/
皆さんにも思索を巡らす至福の時間と空間を、ここに来てぜひ体験してほしいと思います。
その大拙の著書である『禅』は有名です。
みなさんもスティーブ・ジョブズ氏が、「禅」の思想に影響を受けていたという話はあまりにも有名で、ご存知ですね!?
日本が誇る世界的な仏教哲学者・鈴木大拙にあらためて畏敬の念。
写真5 西田幾多郎・鈴木大拙記念館発行パンフレットより
次回石川県に行く機会をつくったならば、かほく市の西田幾多郎記念館を訪ねたいと思っています。西田もまた有名な哲学者です。私たちの世代では、大学生ならば著書を読み、哲学だけでなく他の授業の中でも何度かお名前を聞くことがありました。この大拙と幾多郎の二人は共に明治3年生まれで生涯を通じた親友だったそうです。
学生の皆さんも自粛中は絶好のチャンスですから、読書等を通じて大いに思索を巡らせてください。
さらに昭和女子大学において生涯の友に出逢えることを念じています。
瀬沼 頼子