【卒業生だより】イランより [2020年08月17日(月)]

みなさん、こんにちは。

現代教養学科卒でイラン在住の井関です。

前回の投稿からだいぶ経ってしまいましたが、夫の仕事でイランに住み始めてから一年が経ちました。イランに住む前迄、イランのイメージと言えば

・歴史の授業で習ったイラン・イラク戦争(危ないイメージ)

・中東のどこか

 

くらいしかありませんでしたが(少な過ぎる)、いざ来てみたら、異国ならではの不便さはあるものの(トイレの流れが悪い、英語が通じない、冬は大気汚染が深刻、イスラム圏の為外出時はヒジャブ着用等)、思っていた以上に住みやすく、楽しい駐在生活を送っています。

 

親日国で日本人だというと優しくしてくれるイラン人、農業自給率が高い為野菜や果物が新鮮で安く食べられるところ、伝統工芸が豊富なところ、沢山のイランに触れ、すぐに大好きな国になりました。

 

しかし、日本でも報道されていたのでご存知かと思いますがイランはアメリカとの関係が悪く、今年の年始にはアメリカによるイランの高官の殺害を受け、中東地域での不測な事態を避けるため、邦人は日本に退避する出来事がありました。

この時には、イランとアメリカが戦争になるかもしれない。という緊迫した雰囲気でイランに住む邦人や外国人が一斉に退避モードだった為、イランから出ている飛行機のチケットが全く取れず、その間に戦争になってしまったらと気持ちが落ち着きませんでした。

戦争になったら、イランの家には戻れないかもしれないから貴重品をまとめておいてと夫から言われた時は、これは映画やドラマの世界ではなく現実なんだと足が震えたのを今でも覚えています。

飛行機が取れない場合、最後は陸路を伝ってトルコやアゼルバイジャンなどの近隣国にバスで脱出すると言われた時は不安で仕方がなかったです。

アメリカのトランプ大統領によるイランへの報復はしない宣言がされ、緊迫した状況は解かれたものの、外務省によるイランの危険レベルが上がった為、邦人は日本に戻ることになりました。

そして1ヶ月の日本退避を終え、2月の末にイランに戻り、またイランでの生活を再開することになる。予定でした。

 

1ヶ月の日本退避を終え、イランの自宅に戻ったのが2/21。

日本では大型クルーズ船ダイヤモンドプリンセス号でコロナ感染者が出て連日ニュースになっていた頃でしょうか。

イランでも2月上旬頃から国内での感染者がでたと在イラン大使館の領事メールで連絡が来ていましたが、私達がイランに戻ってきた時はイラン厚生省の発表する1日当たりの感染者も10人前後で少なく、これからの生活の立ち上げをしようと手続き等を始めていました。

しかしその後イランでも感染者は増え始め、私達がテヘラン市内へ出かけると「チーニー!(中国人)」「コロナ!」などと指をさされたり、すれ違いざまにヒジャブで口を覆われて避けられたり、アジア人種であるだけで身の危険に侵されていると感じることが度々起きました。

イラン国内感染者はどんどん増え(今思えば当初の感染者人数は国の情報操作で少なく発表されていたのではないかと思います)

私達も今年2度目の日本退避をする事が決まりました。

しかし1月の退避とは状況が違い、感染拡大防止のために近隣国がどんどん入国制限、国境封鎖をし始めた為に飛行機の減便や欠航が相次ぎ、チケットが取れてもキャンセルになったりと、またもやイラン脱出ができるのかと不安な気持ちでいました。しかし、大使館の方の計らいにより、なんとか日本に帰国することができました。

成田空港ではPCR検査を受け、2週間の自主隔離(この頃は今のような日本政府による隔離施設の手配はありませんでした)の後、約5ヶ月の日本での退避生活を送り、ようやく今月になってイランに戻ってくることができました。イランでは入国の際に72時間以内に受けたPCR検査の陰性証明書の提出を求めていて、事前に、PCR検査も受けることになりました。

8月のお盆前の出発でしたが例年だと海外旅行客で溢れているであろう空港も閑散としていて、飛行機の機内もガラガラでした。私達が乗ったエミレーツ航空では搭乗と同時にマスクやアルコールの入った消毒セットを渡され、トランジットのドバイでも同じものが配られ空港内は手袋着用必須でした。

無事にイランに到着しましたが、大使館の領事メールによると1日の感染数は減ることなくまだ油断のできない状況であります。この5ヶ月の間にアメリカの経済制裁やコロナによる経済打撃により通貨安が進み、子供達の幼稚園の学費や輸入品なども値上がりしてしまいました。今後も不要不急の外出を控えつつ、イランでのステイホームを楽しもうと思います。

 

I 写真1枚目

閑散とした空港。

スタッフも少なく、お客さんが少ないからか「トレーニー」の名札をつけたスタッフが窓口やチェックインカウンターに沢山いました。

写真2枚目

欠航が多いです。

写真3枚目

子供達の幼稚園もフェイスシールド着用です。

写真4枚目

いつも行くスーパー。葉ものコーナーは変わらず。

写真5枚目

自宅からの景色

山には木が生えていなくて、日本の山とは違うのが分かります。冬は雪がつもりとてもきれいです。また夏は空気がキレイですが、冬になると大気汚染で山が見えなくなります。

写真6枚目

エミレーツ航空から配られた消毒キットです。