2024年4月25日に“20 YEARS IN THE EU: BREAKTHROUGHS ACHIEVED AND LESSONS LEARNED”というセミナーに参加してきました。
写真(ヨーロッパハウス)
会場のヨーロッパハウスの外観はブロンズの銅板に無数の窓とベランダがあるというシンプルですが、これまでに見たことのない瀟洒な建築様式でした。エントランスの外にはウクライナ国旗が揚げられていました。
今年は東欧諸国10各国(キプロス、チェコ、エストニア、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、マルタ、ポーランド、スロヴァキア、スロヴェニア)が2004年にEU加盟をしてから20周年を迎える節目の年でした。このセミナーでは加盟20周年を迎える国の大使をはじめ、各分野のスペシャリストらによるディスカッションが行われました。
そこでは、EUのこれまでの歩みと各国の功績と成長が見られた分野に関する話のほかエネルギー分野においては、化石燃料脱却の実現とそれに加えた幅広い分野での協働の強化が求められていることについて語られていました。セミナーは英語で進行されていたため、すべてを理解することは出来ませんでしたが会話の中で何度も「Solidarity(結束、連帯、団結)」という言葉を口にしていたことが印象的でした。会話のなかで使用される言葉やエントランスにあった国旗、壇上にあったウクライナカラーの折り鶴が置かれているなどからはウクライナ侵攻を行う、ロシアへの強硬な姿勢を感じ取ることができる雰囲気がありました。
質疑応答の際には女性の社会進出の現状を懐疑的に捉えている女子学生から現状に対する考えを問われると、それに対して登壇者らは各国の政界や様々な分野において重要なポストに女性は就いていると話していました。今回のセミナー会場を見渡すと、司会者やパネリスト、出席者は圧倒的に男性が多く、少数である女性たちはセミナーの様子を立ち回り、様々な角度から撮影をしている姿が見受けられました。これらの様子からは、社会構造やジェンダー規範の意識や実情には乖離があることを示しているのだと思いました。
セミナー後にはジーカス駐日リトアニア大使やヨハネソン駐日アイスランド大使など各国の大使に挨拶をする機会や早稲田大学の歴史学専攻の学生とも交流をしました。それぞれが持つ専門性と独自の観点からの多岐にわたる会話を通して、このセミナーに対する期待や参加した目的など多様であることに興味深く思いました。
今回のセミナー参加と交流を通して、人や国にはそれぞれに様々な立場や状況からに置かれており、物事の考え方や捉え方を養うことによって見える世界も広がるのだと実感すると同時に、自分自身と社会の在り方について考える機会となりました。
4年H.K.