みなさん、こんにちは。CLA Reporters & Magazine 2年の日野真絢・長井萌渚です。
5月28日(水)に現代教養学科の特殊研究講座が行われました。本日はその様子をレポートします!
今回の特殊研究講座では、株式会社goen°の主宰者で、武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科客員教授の森本 千絵(もりもと ちえ)さんをお招きし、「ご縁のある生き方とデザイン」というテーマでお話をしていただきました。まさに、森本さんの作品とともに生き方そのものを感じることが出来た貴重な学びの時間でした。

森本さんが立ち上げた会社「goen°」という名は、「ご縁がある」の「ご縁」からきています。人と人との繋がりや、偶然の出会い、思いがけない繋がりを大切にしたいという願いが込められています。
森本さんは、「未来は根っこからできている」という考えを大切にしているといいます。「根っこ」とは出会いとつながりを意味しており、作られたものの仕上がりの綺麗さだけが大切なのではなく、それに至るまでの出会いや繋がりが大切なのだと話されました。

森本さんはテレビコマーシャル、CDジャケット、空間デザイン、キャラクターデザインなど幅広いお仕事をされていますが、全てに共通しているのは「人との出会い」から生まれているということです。
トヨタの企業広告では、世界86の国と地域から約78万点集まった、子どもたちが描いた未来の理想の車の絵を映像化したそうです。「車ってこうだったらいいな」「未来はこうなっていて欲しい」という純粋な気持ち、創造力が集まった作品は、まさに夢と希望の塊だと思いました。

森本さんは大学卒業後、博報堂に就職し、その後goen°という会社を起業されましたが、起業のきっかけは、読んで幸せになる新聞記事を集めた「HAPPY NEWS」の取材の際に駄菓子屋のおばあちゃんに「あなたの仕事は『ご縁』を作っているのね」と言われたことだといいます。
その後、Mr. Childrenのアルバム「HOME」では、祖母の生前葬にて集まった家族から人が普段気にしないような当たり前をイメージした「家系図」というデザインを思いついたと話されていました。MV撮影ではマウイ島の本当の家族に協力をしていただいて制作したそうです。このアイデアは、森本さんのご自身のこれまでの経験が重なってできたものであり、まさにご縁の結晶であるといえます。この時に感じた「人の命に関わるようなデザインをしたい」と気づけたことが、起業の原点だったと語ってくださいました。
最後に森本さんは「特殊研究講座でお話した内容は、私の過去の話であり、長い自己紹介です。今後もこうしたご縁が続くことを願っています。」と締め括られました。森本さんのお話を伺い、デザイン(仕事)も人生も、ご縁の積み重ねなのだとあらためて感じることができました。
以上