【教員コラム 見山】現代教養学科の産学連携プロジェクト、CLA Creative Labの2025年度の振り返り

CLA Creative Labは企業と学生がフラットな立場で連携する、これまでにないタイプの産学連携プロジェクトです。連携企業から投げかけられたZ世代を対象とした問いに対し、Z世代の学生が自らの行動様式や価値観を深く掘り下げることで主観の客観的考察を行い、企業と学生が「フラットな立場」でディスカッションを繰り返すことにより、新たな価値の創造を目指しています。
このプロジェクトで学生は、現代教養学科で学ぶ、1.なぜを問う力、2.課題間の関係性を俯瞰的に考察する力、3.多様な価値観を理解し、繋ぐ力、をデザイン思考(Human –Centered Design)のアプローチから実践的に学びます。学生はこのプロジェクト活動に能動的に取り組むことにより、①クリエイティブ・コンフィデンス、②マーケティング・コミュニケーション、③キャリアデザインという3つのテーマについて、深い考察力が養われ、結果として学生自らの課題と可能性に気づくことが出来ます。

2025年度は、楽天グループさん、コーセーさん、西武園ゆうえんちさんの三社と連携させていただき、所属ゼミが異なる現代教養学科の3年生17名が3つの担当企業グループに分かれて活動を行いました。活動の詳細については、CLA Creative Labの学科ブログを参照ください。
今回は2025年度にプロジェクトに参加した学生の振り返りアンケートで寄せられた声から1年間の活動を振り返りたいと思います。

プロジェクト活動から得られた学び

プロジェクトから得られた学びについては、①クリエイティブ・コンフィデンス、②マーケティング・コミュニケーション、③キャリアデザインという3つのテーマに分類し、学生の声を紹介させていただきます。

① クリエイティブ・コンフィデンス(想像力への自信)

  • アイデアを発散させることで意見をまとめる際の手助けとなる材料にもなることがわかり、自由な発想の役割を、身をもって体験することができた。
  • 企画力や自由な発想が得られた。今までは自分が勝手に設けた枠組みの中でしか考えられなかったが、様々な視点から物事を考えられる力を養うことができた。
  • 自分の意見にもっと自信を持ってよいと学んだ。以前は的を外した意見を言っていないか心配になることがあったが、、活動を通して、どのような意見も議論の中で何らかの形でつながることを実感した。

② マーケティング・コミュニケーション

  • 自分たちの考えだけで進めるのではなく、対象者や第三者の視点を取り入れながら提案を磨くことの重要性に気づけた。
  • より良い提案の為には、自分たちの思い込みにとらわれず、多様な視点や実際の声をもとに相手を理解し、内容を見直し続ける姿勢が重要であると学んだ。
  • 単に意見を出し合うだけでなく、メンバー全員が納得できるまで話し合いを重ねるプロセスを通じて、チームで合意形成をする大切さを実感した。
  • 一人ではなくグループで動くからこそ生まれる相乗効果など、仕事の現場に近い動きを少しだけ先取りして知ることができたのは大きな収穫だった。
  • 相手側に寄り添った思いを持ち続けて置くことが双方向にとっても重要な点であると学んだ。

③ キャリアデザイン

  • プロジェクト参加前は、社会人は遠い人のように思い勝手に距離を感じていた。しかし、プロジェクトを通して、社会人の方と接していくことで同じような道を辿ってきた先輩であり、同じように社会に出る経験をしてきたと思うと聞きたいことや知りたいことが沢山ありそのような話を聞けるきっかけもあり沢山学べた。
  • 企業と学生でコラボをすることで、学生側には見つけられなかったこと、企業側にはなかった発想を学生ができること、そしてその二つが合わさることでとても面白い企画やサービスが生まれることを学ぶことができた。
  • 今まで消費者としてしか見てこなかった企業の取り組みを、企業側の本音や課題に感じている部分まで知ることができた。
  • 企業に訪問し、素の社会人の方と対話をすることで社会人の解像度が上がり、自分自身のモチベーションにもなったため、このプロジェクトに挑戦して良かった。

プロジェクト活動で、特に印象に残ったこと

1年間のプロジェクト活動を通じて、特に印象に残ったことについては、担当企業ごとに学生の声を紹介させていただきます。

<楽天グループ>

  • 本社で行った初めてのプレゼンとフィードバックが特に印象に残っている。学生は、多数派の意見や、特徴として挙げられた部分に焦点を当てて話したが、楽天さんは、単に多数派に注目するのではなく、行動を起こすきっかけや原因に着目し、少数派にも注目して、多角的な視点から捉えていたことが印象に残った。
  • 社内でのミーティングの際に私たちメンバーの顔や人物像を思い浮かべていた、というお話が個人的にすごく嬉しく、そこまでの関係性を築けたことはとても貴重な経験であったと思う。

<コーセー>

  • 中高生とのワークショップで、同じZ世代やα世代の生徒さんの考えやニーズを知って、一緒にプロジェクトを進められたことが印象に残った。
  • 実際にコーセーの本社へ伺い、社員の方々に直接提案ができたこと。普通の授業だと、学生同士の発表で終わってしまうが、今回は企業の方に向けて何度もブラッシュアップを繰り返し、実践的なフィードバックをいただけた。3年生のこの時期に、企業の空気感に触れながら「社会人に近い経験」ができたことは、とても貴重な経験になった。

<西武園ゆうえんち>

  • 特に印象に残っているのは、コラボフードにストーリーを付けていく過程。最初はメニューの組み合わせを考えるところから始まったが、なぜその組み合わせなのか、どのような背景から生まれたのかを考えるうちに、フードそのものだけでなく、その背後にある物語が企画の魅力を高めると感じた。食べ物が単なる商品ではなく、世界観の一部として立体的に見えてきたことが印象的だった。
  • 実際に現地を訪れ、常連の方がコラボフードを毎回食べてくれているという話が印象に残った。自分たちが考えたものが形になっただけで終わらず、人の元に届いていると知りとても嬉しかった。

プロジェクトの学びは、今後どのようなことに活かせると思うか?

プロジェクトに参加した学生は、当初私が予想していた以上に多くの気づきや学びを得たようです。特にプロジェクトに参加した学生同士が切磋琢磨しながら、非常に大きな学びを得ていることがとても印象的で嬉しいことでした。

  • 今後、相手の立場や状況を踏まえて物事を考える力として活かせると思う。社会に出た後も、相手のニーズをくみ取りながら周囲と連携し、より良い形で価値を提供していくうえで活かせると考える。
  • 自分自身で深く考え、相手に意見を伝えることは、これから様々な人々と関わっていく中で活かせると思う。
  • プロジェクトで学んだ「周囲と協力して一つの目標を成し遂げる姿勢」は、どんな仕事でも必ず役に立つと感じている。
  • 将来社会に出た時に、発散と収束を繰り返すことで自分の意見を客観的に考えることに活かせると思う。
  • 固定概念化されたものが頭の中にあったが、このプロジェクトに参加したことで、別の視点を構築することができた。
  • 直近だが、キャリアの選択にすごく活かせると思う。
  • 相手の率直な思いを聞きたいという相手側に寄り添った思いを持ち続けていくことと、なぜそうなったのかを、多方面から疑問を持ってみることの2点を学んだ。これは、どの業界に限っても非常に重要な視点・考え方であると思う。
  • 目標・目的を明確にして行動することを習慣化させられると思う。
  • キャリア選択で企業分析を行ったり、企業の方とお話したりする際にも活かせると思う。
  • 将来どのような職種についても不可欠な、多角的な視点での問題解決に活かせると考える。数字としてのデータの分析はもちろん、そこからユーザーの体験や感情を掛け合わせて考察するプロセスは、企業に入っても重要なものである。相手が何を求めているかを表面的な言葉だけで判断せず、その背景にある「何に価値を感じ、何を嫌悪しているか」という本質的なニーズを知る姿勢を大切にしたい。
  • 限られた時間の中で意見を整理しながら企画の方向性を考える場面で、このプロジェクトでの経験が役立ったと感じている。今後も、実際の体験や議論をもとにアイデアを深めていく姿勢を大切にしていきたいと思う。
  • 物事を決断する時に活かせると考える。 自身の感情で行動するのではなく、様々な側面から考えた上でどれが最適か、どれが効果的か判断することで、どのような結果でも納得できる。
  • 自分の思っていることを相手に伝えることを意識することで、自分の意見を発信するだけでなく、相手との意思確認にもつながると感じた。
  • 大人には大人の事情があると知った。やりたい!という気持ちだけでは形にすることは難しいと知った。俯瞰して状況を把握して、そのうえで実現可能な最高点を作り出せるようになりたいと思った。
  • 学生と企業は違うように見えて、実は対等で、多くの意見を出せば出すほど新たな考え方が生まれていくことを実感した。企業側も学生側も、意見をとにかく発散するこういったプロジェクトがあることで、今までになかった新しい「楽しいこと」を作ることができるのではないかと思った。

2025年度の感謝と、CLA Creative Labの2026年度の活動について

昨年度3年生だったCLA Creative Labのメンバーは、4月から4年生になり、卒業論文に向けた研究や、それぞれのキャリアデザインの活動に勤しんでいます。1年間で本当に逞しく成長したことを誇らしく思います。学生がこんなにも伸び伸びと活動できたことは、連携企業の皆様の学生に対する温かい眼差しと、予定調和でないこのプロジェクトを一緒に創りながら楽しんでくださったお陰であると心から感謝しています。この場を借りて、あらためて御礼申し上げます。本当に有り難うございました。
ここまでお読みいただいた通り、4年生になった昨年度のメンバーが、今年度(2026年度)のCLA Creative Labの活動の礎をしっかりと築いてくれました。このバトンを今年度から新たにCLA Creative Labのメンバーとなった2年生、3年生にしっかりと繋いでいきたいと思います。新カリキュラムに移行した今年度のCLA Creative Labの最大の変化は、プロジェクト活動から、「ソーシャルデザイン・ラボ」という新たな授業になったことです。また、連携企業も昨年度からの継続となる楽天グループさん、コーセーさんの他、新たに三井住友銀行さんと連携することになりました。今年度の活動については随時、学科ブログでCLA Creative Labの新メンバーから紹介させていただきます!
最後までお読みいただき、有り難うございました。

(現代教養学科教授 見山 謙一郎)