【実施報告】
私学教育研究プロジェクトは、11月24日(月 振替休日)に 教員育成セミナーを開催しました。私学教育研究プロジェクトは、2015年4月以来、数名の所員・研究員が参加し、私学教育についての文献調査や、私学教員の研修についてのアンケートを行ってきました。そして2019年度から、教員育成に関わる公開セミナーを行っています。
今回は「『迷ったらGO!』―生徒の背中押す校長先生が描く私学教育」と題して、朝木秀樹氏(横浜隼人中学・高等学校長)の御講演と意見交換を行いました。朝木先生は、東京大学在学中に野球部で活躍され、約30年の銀行勤務の後、私立学校の事務長や高等学校の野球部監督を務められました。そして、2024年度から現職に就かれました。
朝木先生は、「横浜隼人の人づくり」として主体性とリーダーシップを大切すること、そして生徒が身につけるべき力として「課題発掘力」「コミュニケーション力」「行動力」を挙げられました。そして重要なのは生徒自身がしたいものを見つけ、それに全力を注げるようにすることであり、その結果として「文武両道」になることもあるのであって、「文武両道」は目指す目標ではないと指摘されました。
また横浜隼人でしたこととして「無駄の排除」(小テストの廃止等)「カリキュラム削減(自由選択科目の増加)」「外部講師による特別授業」「高大連携の拡充」を挙げられました。同時に今後すべきこととして「教員の意識改革」「生徒指導の考え方の整理、校則の見直し」「業務改革」があると述べられました。
さらに、これまで学校を外側から見てこられてきた立場から、教師のプロ意識や、変化を嫌う(あるいは変化についていけない)学校や教育制度の問題を指摘されました。
意見交換では、校長のリーダーシップのあり方、教員の意識改革、学校(とりわけ私学)の役割などのテーマが出されました。
今回の内容を踏まえ、さらに私学教育について考究したいと考えます。(友野清文)
