「校訓の巌」と呼ばれる創立者記念講堂の横にある青色の油石と同時期に運びこまれたのが、大学5号館の入り口右手に置かれている、「学父の岩」です。
(学父の岩)
そしてその右隣には、30トンの緑色の石があります。これは、学母人見緑先生の生まれ故郷、四国愛媛県産で、伊豫青石とも呼ばれている石です。
名前の通り晴れた日には緑色に、そして、雨に濡れると青色に輝き、模様も複雑に変化するように見えます。伊豫青石の産地には昔から有名なお寺も多く、きっと弘法大師や空海も、2億年近く前からさまざまな自然の力を受けて形成されたこの石の岩山を歩いて四国を巡ったのではないでしょうか。紀伊国屋門左衛門の屋敷を岩崎弥太郎が買い取って今は都立「清澄庭園」として開放されている回遊式林泉庭園には、全国から集めた伊豫青石等の名石が数多く配置されているそうで、この伊豫の石は数々の名庭にも景石として使われています。
「学父の岩」と「学母の岩」のそばには、春を告げる梅の花も咲きます。また、二つの岩の前には、サツキが二株植えられていますが、これらはもともと校祖が鉢植えを購入して植えられたものだそうで、35年以上たった今ではしっかりと根をおろし、5月の声を聞くと、可愛いらしい花を咲かせます。サツキは「皐月躑躅(サツキツツジ)」とも呼ばれ、ツツジ科。旧暦の5月(皐月)に咲くことからその名がつき、俳句では「夏」の季語です。ツツジよりやや遅く咲き、6月の終わり頃まで、紅色、ピンク、絞りなどの少し小さめの花をつけます。
学園のいろいろな場所に石や岩が配置されています。7人の妖精を探すのも楽しいことですが、さまざまな謂れのある石や岩を探して歩くのも楽しいのではないでしょうか。
(「学父の岩」と「学母の岩」の傍らに咲く梅)