TUJはTemple University Japan Campusのことで、1982年開校のアメリカの「外国大学の日本校」です。Temple Universityは1884年創立のペンシルベニア州立の総合大学で、4万人に近い学生数で全米の公立4年制大学中31位の規模だそうです。TUJでは本校から承認された教授陣が、本校と同じカリキュラムで教え、本校の学位が取得できます。
実は私はTUJの卒業生でもあります。1992年に、昭和女子大学の勤務を続けながら、その頃は高田馬場の近辺にあった校舎で、夜間や週末に学び、英語教育学の博士号を取得しました。TUJにおいて、英語教育の分野では、日本人初の博士号取得者だったそうです。
そのTUJが2019年の秋に、昭和女子大学の西にキャンパスを移転することが6月5日にプレス発表されました。現在の西キャンパスの新体育館とプールを取り壊し、新たに地上6階立ての校舎を建設して、その3分の2程度をTUJが使用します。もちろん、新しい体育館も、プールもできます。
本学は1920年に教師5名、学生8名で始まった大学ですが、現在は、大学生約5,600名、こども園からBSTまで合わせると、約7,000名が集うキャンパスになりました。1988年には、アメリカ、マサチューセッツ州ボストンにShowa Boston Institute for Language and Cultureを設立し、以来、毎年500名近い学生がShowa Bostonに留学しています。また、文科省から私立の女子大学で唯一、「経済社会の発展を牽引するグローバル人材育成支援」に採択され、昨年までの5年間数々のプログラムを実施しグローバル化の進展に拍車がかかりました。
TUJの移転に先立って昨年の秋学期から、単位互換プログラムも始めています。プログラムはTUJに在籍する「認定留学」と、本学に在籍したまま空き時間を利用して科目等履修により単位を得る2つの方法があり、もう既に昭和の学生が現在のTUJ麻布校舎で学んでいます。TUJには世界60カ国から学生が集まっているそうで、男子も含めて様々なバックグラウンドを持つ学生さん達に、本学の授業、例えば、日本の歴史や文化、日本語等を昭和の学生と一緒に学べるような仕組みも検討中です。TUJが西キャンパスに移転すると、本学の飛躍的なグローバル化はもとより、伝統的な女子大学の文化を保ちつつ多様化を図るという、新しい大学の教育スタイルの提案になるであろうと様々なメディアからも期待されています。