正門を入ってすぐ左に昨年完成した9号館があります。正面入り口近くの桜もしっかりと根を張り始めました。先週、9号館脇のウッドデッキを歩いて建物の奥にある体育棟に行きましたが、建物に沿って、ハツユキカズラが花壇のグランドカバーとして植えられていました。
ハツユキカズラは「斑入り定家葛(フイリテイカカズラ)」とも呼ばれ、小さな葉をつけて、新葉にはピンクや白の様々な形の斑が入るとても可憐な植物です。丈夫で、ゆっくりと成長します。春から秋にかけては濃いピンクから淡いピンクそして白、それから緑色の葉っぱとなり、秋には紅葉も鑑賞できます。十数年前に自宅から持ってきた枝を学園本部前の植込みに移植してもらいましたが、本部前にあるものは、背の高い木が多く日当りも良くないので、あまり目立たない存在のようです。ちなみに自宅のハツユキカズラは、枝をどんどん長く伸ばしてフェンスに絡み、いくら刈り込んでも成長する一方です。毎年夏になると、あまりに成長するので花芽と一緒に剪定をしてしまうためか、白からクリーム色に変化する小さな花は、残念ながらまれにしか見たことがありません。
根が定着すれば、勝手に成長する植物のため、最近はいろいろなところで工夫され使われています。寄せ植えやハンギングバスケットだけでなく、9号館脇にあるようにグラウンドカバーなどとしても使われているのを目にすることが多くなりました。
ハツユキカズラは山に自生する、日本や朝鮮半島が原産の植物。名前がとても素敵ですよね。「ハツユキ(ハツユキ)」は白い葉がまるで雪がちらちらと降ったように見えることからつけられました。「カズラ」はつる性の植物のことを指します。もう一つの、「テイカカズラ」という名前の「テイカ(定家)」は、能の『定家』にもあるように、平安時代末期から鎌倉時代にかけて活躍した歌人、藤原定家が、式子内親王のことをその死後も忘れられず、「定家葛」に生まれ変わって彼女の墓にからみついたという伝説に由来した呼び名だそうです。
9号館脇は、日当たりもよく、きっと新しい校舎にふさわしい植え込みのグランドカバーになることでしょう。花言葉は『素敵になって』など。9月18日の誕生日花だそうです。