クリスマスと聞いて、皆さんがイメージするのは、どんな色でしょう。緑、赤、白、金、銀など、きっと色々思い浮かべることでしょう。こうした色は、クリスマスツリーの飾りによく使われていますね。
クリスマスが近づくと、あちこちで見かけるクリスマスツリーですが、日本では「ウラジロモミ」や「ドイツトウヒ」という種類のモミの木が多く用いられるのだそうです。ドイツの神学者で宗教改革の中心人物であった、マルティン・ルターがクリスマスイブの礼拝の帰り道に、森の中で常緑樹の木の葉の間から見えるきらめく無数の星を見て、美しさに心を打たれ、多くの子供たちに見てもらいたいと、家の中に木を持ち込んでろうそくに火を灯し、木を飾ったのが始まりといわれているそうです。
クリスマスツリーの習慣は、19世紀初頭に移民たちによってヨーロッパからアメリカへ伝えられました。イギリスのクリスマスツリーは、1840年にビクトリア女王の夫君であるアルバート公がウィンザー城にツリーを飾り付けたのがその始まりとされています。日本では、1886(明治19)年12月に横浜の明治屋に初めてクリスマスツリーが飾られた等、諸説あるようです。
ツリーはモミの木以外の木を使うこともありますが、必ず冬でも枯れずに生き生きとした緑の葉をつけている常緑樹を使います。一年中緑の葉を茂らせる強い生命力は「永遠」を象徴し、キリスト教では、イエスが与える永遠の命を象徴しているのだそうです。
ドイツでは、モミの木には妖精が宿っていて、食べ物や花を飾ると妖精たちがそこに集まって、力を与えてくれると言われていたことから、クリスマスツリーにモミの木が用いられるようになったという話もあります。
ツリーの一番上には、星の飾りがついていますが、あれはキリストが生まれたときの空に輝いた星を象徴し、また、必ずと言ってよいほどツリーに飾られる、丸くて赤い玉飾りは、アダムとイブの話で有名な「知恵の実」のリンゴを表しているのだそうです。
ツリーの飾りにも一つ一つ由来や意味があるのですね。冒頭の写真は本学キャンパスの3号館前のツリーです。毎年11月の終わりになると、飾り付けが始まる昭和のクリスマスツリー。ずっと昔から、師走の喧騒の中にあってもホットした気持ちにさせてくれる、昭和のキャンパスの名物です。4コマ目の授業が終わる頃に校舎を出ると、素敵なイルミネーションが楽しめます。