明けましておめでとうございます。
正月飾りと言えば、鏡餅や門松、しめ飾りなどを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。JTB出版の『英文日本絵とき事典1(文化・風俗編) Illustrated A Look into Japan』(1991)では、門松のことを次のように説明しています。
Kadomatsu: This decoration, made from pine branches, bamboo and straw, is used in pairs, one on each side of the front gate or door of a house. The pine tree is a symbol of longevity. (p.81)
外国の方には門松はとても珍しいものだと思います。ここに書かれている程度のことは英語で説明ができるといいですね。最後の文は「松の木は長寿の象徴です」という意味です。
幸せをもたらしてくれる年神様が、正月に迷わずに来てくださるための目印として、門松を飾るのは、古くからある日本文化の一つです。昭和でも、毎年正門に飾っています。平安時代に、宮廷儀礼として、年のはじめに外の小さな松の木を引き抜いてくることで長寿祈願をした習慣から始まったと言われているそうです。長寿の象徴である竹も一緒に飾るようになったのは、室町時代に入ってからなのだそうです。
ところで、門松にはいろいろな飾り方があるようで、昭和の正門の門松はというと、3本組の竹を中心にして周りに短い若松を飾り、根元をわらで巻いてあります。そして、竹の先端は斜めに切った「そぎ」の形をしています。真横に切る「寸胴」と呼ばれる切り方もあるそうです。門松は一対で飾りますが、昔は左に黒松を使った「雄松」を、右に赤松を使った「雌松」を並べていたと思います。かすかな記憶ですが、私が昭和の中高部の生徒だった頃に、そう説明を受けたように記憶しています。
門松などの正月飾りは「松の内」が始まる12月13日から、関東では新年の1月7日まで終わりになりますが、大学では11日に片づけてしまうそうです。本学では1月6日㈯に新年あけの授業が始まりますので、正門を飾った門松を見た方も多いのではないでしょうか。