卒業生の皆さんは、同窓会の幹事会などで、また、大学生や教職員の皆さんは、教育会議でいつも見ている絵画です。学園本部館3階の大会議室の正面にかけられています。縦は176㎝程、横は148㎝程もあるとても大きなキャンバスに描かれた油絵です。
『早春の収穫』という題がついています。画家は岩下資治氏。宮崎県串間市の生まれで、高校で美術を教えていました。
春に望秀学寮に行かれたことのある方は、この絵を見て、山も海もある変化に富んだ景観と共に、明るく輝く房総の光をきっと思い浮かべることでしょう。
また、この絵は、かつて望秀海浜学寮のオリジナルハガキのデザインになっていたこともあったそうです。
この作品と同じ時期か少し後に描かれたであろう岩下氏の油絵が、房総で生まれたり定住したりした画家たちの作品を集めた、千葉県佐倉市立美術館にもあります。その絵には、ピンクやうす紫の花をつけた金魚草を女性が一人で、出荷するために彩花している所が描かれています。オレンジ色のポピーも見えるので、きっと、本学所有のこの『早春の収穫』と近い場所で描かれたのではないかと思います。
この絵にあるように、房州の温暖な気候を象徴するような花に囲まれた親子の睦まじい姿を見ていると、もうすぐ来る春が心から待ち遠しく思えますね。