赤い実がなっていますね。もう少し遠くから見ると、こんな木です。
何か表示があります。
ヤマモモの木でした。
看板の右側には、「Myrica rubra ヤマモモ 山桃 分布:本州~沖縄、中国など 雌雄別種 果実は球形で夏に赤く熟す」と書かれています。ヤマモモは20メートルほどまで成長する木で、幹は太くなって楕円形の模様のように見える灰白色の樹皮がついています。一般的に一つの花の中に雄しべと雌しべの両方があるのですが、雌雄別種は一つの花に雄しべか雌しべどちらかしかない花のことを指すのだそうです。花は3月から4月に咲き、そして、ちょうど梅雨時の6月ごろに写真の様に少し黒っぽい赤い実がなります。
さて、看板の左側には、「記念植樹 平成17年2月 若者との交流会のために来日したノーベル平和賞受賞者、ワンガリ・マータイ氏と人見楷子理事長及び初等部児童、中高部生徒、大学生の手によって植えました。」とあります。
マータイさんは、アフリカ全土で延べ10万人が植樹活動に参加してきた環境保護のNGOグリーンベルト運動の創始者です。マータイさんが生まれたのは1940年、当時ケニアはイギリスの植民地でした。干ばつの被害から国を守るために1977年に自らが植樹を始めたのです。1本植えるごとに、少額の報酬を渡すことで、女性の自立も促しました。植樹運動は世界に拡がり、植樹数は4500万本を超えているそうです。そして、2004年に、持続可能な開発、民主主義と平和への貢献により、アフリカ人女性として史上初のノーベル平和賞を受けました。2005年には初めて日本を訪問し、この時、日本語の「もったいない」に感銘を受けたそうです。本学の記念講堂で講演、昭和之泉の一角に記念植樹もされました。残念ながら2011年、71歳で亡くなられています。マータイさんはMOTTAINAIという美しい日本語を、環境を守る世界共通語として広めることを提唱しました。本学での講演で語られた、環境3R(Reduce, Reuse, Recycle)を大切にすると共に、Respect(ものや人を大切に)することこそが、「もったいない」の意味だというお話は多くの人々に感銘を与えました。
昭和之泉のヤマモモの木は、記念植樹から14年がたちました。まだまだ背が伸びる木のようです。どこにあるか是非、探してみてください。