まず、ここはどこかわかりますか。こんな展示場、学内で見たことがありますか。博物館、それともステージのセットでしょうか。
木枠の中に写真のようなものが貼られているようですね。その中のいくつかを見てみましょう。
2006年5月11日の日付です。「天使の歌声」として有名なウィーン少年合唱団演奏会のチラシです。ウィーン少年合唱団は1498年に創立された古い歴史のある合唱団で、10歳から14歳の約100人で構成されています。イタリア出身の名指揮者トスカニーニが、彼らのコーラスを《天使の歌声》と呼びました。メンバーは全寮制の生活をしていて、時折、世界の国々でグループに分かれての活動もします。ウィーン国立歌劇場でのオペラにも数多く出演し、ウィーン・フィルともしばしば共演しています。日本での公演はいつも大人気で、毎年各地で売り切れが続出するのだそうです。
次の写真を見てみましょう。こちらは、2013年6月4日の日付です。右上には、「小曽根デビュー30周年&バートン70歳!」と書かれています。
小曽根真(おぞねまこと)氏は、バークリー音大を卒業後、ソロ・ライブや、ゲイリー・バートン(ビブラホーン奏者)、ブランフォード・マルサリス(ジャズサクソフォン奏者)、パキート・デリベラ(クラリネット奏者)など世界的なトッププレイヤーとの共演を数多く行い、また、自身のバンド「No Name Horses」を率いてツアーを行うなど、ジャズの最前線で活躍しています。クラシックにも本格的に取り組み、国内外の主要オーケストラと、バーンスタイン、モーツァルト、ラフマニノフ、プロコフィエフなどの協奏曲の共演で高い評価を得ています。
小曽根氏がデビューし、ゲイリー・バートンと出会ってから30周年となる2013年にバートン氏の還暦も記念して、世界をめぐる演奏旅行をしています。その途中で、本学での演奏会も行われたようです。小曽根氏は2018年の春に、紫綬褒章も受章しています。
次の写真は、キエフ国立フィルハーモニー交響楽団です。日付は、2017年12月19日となっています。キエフ国立フィルハーモニーはウクライナのキエフに本拠がある国立フィルハーモニー協会の専属オーケストラです。この年の12月28日には、東京オペラシティコンサートホールで公演もしていて、S席なら11,000円、A席でも9,000円もするすばらしい演奏を、本学の記念講堂で無料で聞くことができた学生は、ものすごく幸せですね。
ということで、はじめの写真は、記念講堂の音響版の裏を写したものです。これまで本学の記念講堂で行われた演奏会のチラシの多くが、記念としてここに貼られています。音響版は演奏会等で、舞台の正面と上手側、下手側に立てられます。このブログには、正面裏の写真しか掲載してありませんが、3枚の音響版の裏に人の手の届く高さの所まで、チラシが貼られているのですから、かなりの数になります。どのチラシも、世界中で著名な方々のものばかりですよ。学生の皆さんは、こんなに素晴らしい演奏を本学内にある記念講堂で、しかも無料で聞くことができるなんて、夢のようではありませんか。