2022年12月6日から開催されたICN2022にて、管理栄養学科3年生の学生達がポスター発表を行いました。今回は、その発表内容と彼女たちの「プラネタリーヘルスダイエット」のプロジェクト活動をご紹介します。
※プラネタリーヘルスダイエット(The Planetary Health Diet)とは、世界中の著名な研究者たちが、各専門分野の視点から、食事や食料システムを人や環境にとってより良いものにするべく、全世界へ向けて提示した食事法です。従来の食事法は、医師や健康の専門家が提案するものが多いですが、プラネタリーヘルスダイエットでは、環境や経済など、様々な分野の研究者の意見が含まれ、肉や魚の消費量を抑え、砂糖や精製穀物などを削減した食事が推奨されています。
それでは、3年生のKさんからの報告です。
私たちは、ICN2022で発表することを目標に、2021年の10月から持続可能な食生活について、「科学英語」担当の増野先生、活動顧問の横塚先生のご助言を仰ぎながら、東京栄養サミット参加(2021年12月)、UNDP(国連開発計画)駐日代表の近藤哲生先生とのミーティングなどを通して勉強をしてきました。
学習を進めるに当たり、『食卓から地球を変える』(ジェシカ・ファンゾ著)を翻訳された手島祐子先生からお話を伺う機会がありました。手島先生からは、気候変動によるこれからの食のあり方について、プラナタリーヘルスダイエットの海外での取り組みについて伺いました。また、日本での取り組みが殆んど行われていない現状を伺い、日本で認知度を上げ、具体的な取り組みにつなげることの重要性を感じました。
そこでICNでの発表では、『今、私たちが日本でできるプラナタリーヘルスダイエットの取り組み」という内容に決め、私たちが持続可能な食生活のために今できることはプラネタリーヘルスダイエットの認知度を上げ、実践的な取り組みを始めることであることを趣旨とするポスター発表を行いました。また、プラネタリーヘルスダイエットの概念を広めるためには、日本特有の「定食」という形式を活用することも提案しました。
海外のハーバード大学ではバイキング形式のカフェテリアで、プラネタリーヘルスダイエットのガイドラインに沿った食事バランスの例が提案されています。そこで、日本では定食スタイルの「プラネタリーヘルスダイエット定食」を学食で提供することで、より多くの学生の認知度を上げ、日常的な実践につながるのではないかと考えました。
他のメンバーからの学会参加の感想です。
「比較的自由に発表ポスターが作成できたので、自分たちらしい発表ができたので嬉しかったです。また、発表することで自分たちが目指す方向性が明確になった気がします。」(Sさん)
「これまで学んできたプラネタリーヘルスダイエットという考え方をベースに、私たちなりに日本での持続可能な食について考え、一つの形として発表できたことはとても貴重な機会であったと感じます。今後の活動がさらに楽しみになりました!」(Fさん)
今後は、ICNで発表した通り、「プラネタリーヘルスダイエット定食」を学食で提供するプロジェクト活動を進めて参ります。既に2023年7月に学生食堂ソフィアにて2週間、プラネタリーヘルスダイエット定食の提供が決まっています!
植物性由来の食材を中心とした学食メニューの考案を、今後の活動で行っていきます。また、本活動に興味のある新メンバーを加え、活動を盛り上げてまいります!!