3年ぶりに開催された春季アメリカ栄養士研修に、管理栄養学科2,3年生20名が参加しました。今回は、英語クラス、特別講義やフィールドトリップの様子を学生レポートや現地でのアンケートより、お知らせしたいと思います。
午前中の英語クラスの中では、日米の食事比較、農務省栄養ガイドライン、米国栄養士のキャリア形成、米国の栄養政策などをテーマにして英語を学んでいます。また、英語クラスのアクティビティーもあり、現地の大学生との交流会、現地の日本語教室への訪問なども経験したようです。学生の感想には以下のように綴られています。
『午後はマサチューセッツ大学の生徒達が昭和ボストンに来てくれました。いざ英語で話そうと思うとうまく言葉が出ず、片言になってしまい悔しかったです。自己紹介の時に仲良くなったブライアンは日本語が上手だったので、分からない英語があったときには教えてくれ、英語を話す機会が増えて嬉しかったと同時に、もっともっと英語を勉強したいと考える良い機会になりました。日本のアニメをすごく知っていることにも驚きました。』
英語でコミュニケーションをする楽しさを感じていることが伝わってきます。
学外の講師を招いての特別講義では、小児栄養、ハーバード大学より歯と栄養、摂食障害、スポーツ栄養などの特別講義があったようです。
摂食障害の講義での感想には、以下のように綴られていました。
『アメリカの女性の50%は食事制限によるダイエットを行なっているという事実に驚いた。肥満がアメリカではフォーカスされがちなので、食事制限をそんなにも多くの女性が行っているとは思いもしなかった。ベジタリアンや宗教など、その人の食に対する固定概念などが摂食障害には影響してくるため、どのようにバランスの良い食事をしてもらうか、その人にどのような食べ物を勧めるかは、個別対応になるためとても難しい問題だということが分かった』
日本とは異なる複雑な社会背景の中で、抱える問題の深刻さとその解決の困難さも学んだようです。
フィールドトリップでは、ボストン美術館、タフツ大学フリードマン栄養科学政策大学院、スーパーマーケット「Whole Foods Market」、病院と医療センター見学などがあったようです。中でも、米国のスーパーマーケットは、学生たちの関心が高く、最終レポートのテーマとして選んでいる学生が多くいました。
レポートには以下のように綴られていました。
『ホールフーズマーケットはオーガニック食品の高級スーパーマーケットであるため、財力がなければ頻繁にくることはできないだろうと感じた。健康な食生活を送るためには新鮮な野菜や果物は積極的に摂取する必要があるが、それらの値段は決して安くはない。ボストンの街を歩いて感じたことは、日本と比較すると圧倒的にホームレスが多い、そして、ホームレスの人はたいていが肥満体型であるように見えた。(中略)このような光景を実際に自分の目で見ることで、健康格差とはどのようなものであるかを知ることができ、とても勉強になった』
肌で米国における健康格差を感じており、日本にいては学べないリアルな学びを感じます。
では、最後に本研修の学生満足度です。アンケートの回答より、「大変満足(65%)」と「ほぼ満足(35%)」で100%となり、満足度がたいへん高いことが伺え、学生たちに参加を推奨してきた教員としても安堵した次第です。感想の中には、『本当に有意義でよい経験をした2週間でした。昭和女子大学に入学した人には、昭和 Boston に行くことを全員に勧めたいと思った』とあります。
2回に渡って、春季ボストン栄養士研修の様子をお伝えしてきましたが、学生たちが異文化の中で、多くのことを肌で感じ吸収していることが伝わって参りました。このボストンキャンパスで貴重な経験をした彼女たちには、世田谷キャンパスにいてもグローバルに開かれた視野をもって、専門性を高め続けてほしと願ってやみません。