本日は、2年生後期の必修科目『食品と加工』における、外部講師による特別講義の様子をご紹介します。
『食品と加工』では、加工食品に用いられるさまざまな保存技術や加工技術、さらに食品表示や表示基準について学びます。担当の三浦先生は、大手食品企業で長年研究開発に携わってこられたご経験をお持ちで、その実務経験を生かし、保健機能食品の開発や遺伝子組換え食品・ゲノム編集技術を応用した新たな食品などについても講義されています。
特別講義の内容
今回の特別講義では、これまで学んできた加工技術が食品メーカーでどのように製品化され、販売につながっているのかという視点から、食品マーケティングについて学びました。
講師は、キリンビール在職中に「淡麗グリーンラベル」をマーケッターとして開発された実績をお持ちの 上野哲生先生 です。キリン「淡麗グリーンラベル」は、「糖質オフ」という健康価値と「ビールに近い満足感」という美味しさを両立させ、「爽やかな体験」というコンセプトで訴求したヒット商品です。上野先生は、カロリーオフのビ―ル系飲料を”緑色の健康系カテゴリー”として日本で初めて定着させた立役者でもあります。
講義の様子
講義では、上野先生より商品開発における重要な視点や開発現場でのご苦労など、貴重なお話を伺うことができました。
最後にはグループワークが行われ、
「管理栄養士にとっての顧客とは誰か? ― 患者様? 医師? ―」といった根本的な問いをきっかけに、飲料の新規商品開発を題材として、ターゲット設定や未充足ニーズについて考えました。
学生たちからは、
「被災者をターゲットにした、栄養を考慮した飲料」
「美味しさと美容効果を両立した美容系飲料」
など、独創的なアイデアが次々と発表されました。
講義を終えて
現在、食品メーカーでは、自社製品に健康価値を付加することがますます重要視されています。
管理栄養学科の学生たちは、“食を通じて人々の健康を支える専門家”として学んだ知識を、将来の食品開発や商品企画の分野にも生かしたいと考え、食品企業への就職を希望する学生も多く、今回の特別講義はその夢をより具体的に描く貴重な機会となったと思います。