【グローバルセミナー】Melba Pria駐日メキシコ大使のご講演(2023年6月28日) [Global Seminar] Lecture by Ambassador Melba Pria of Mexico to Japan

グローバルセミナーの第4弾となるメキシコ大使講演会を6月28日に開催しました。

Pria大使はメキシコと日本の関係やメキシコ女性の情勢などについてご講演なさいました。遥か遠い国であるメキシコですが、実は古くから日本と深い関わりがあることを教えてくださいました。また、日本と同様に男女の社会における役割について保守的であったが、努力を重ねることで、現在はメキシコ国会議員の半数を女性が占めるまでに至ったことも話してくださいました。

グローバルセミナーの開催に際し、毎回学生に対して事前学習(英語指導)を担当してきましたが、どの学生も積極的に取り組んでくれました。大使講演の聴講、英語での司会、そして英語での質疑応答という経験は学生にとって今後の力となるでしょう。(チャンマーク)

今回のセミナー出席者の中から以下の感想文が寄せられました。
・「セミナーの中で私が特に印象に残ったのは、プリーア駐日大使のお人柄でした。セミナー開始前には、学生一人一人に目線を合わせて握手しながら挨拶し、学生たちがどのような勉強をしているのか聞いてくださるなど、たくさんのコミュニケーションを取ってくださいました。また質疑応答の際には、学生の質問に丁寧に答えてくださったり、ポジティブな気持ちになれる言葉をかけてくださったりと、プリーア駐日大使の姿から、人として大切なことに気付くことができました。他国の歴史や文化を理解し、受け止めることが大切であるように、私たちは今以上に日本という国を知ろうとする必要があるのだと思います。そのためにも、自分の個性を認めて学び続けたいと感じました。貴重なお話をいただいたメルバ・プリーア駐日大使と、今回のセミナーに関わってくださった皆様に感謝申し上げます。」

・「メキシコは、ジェンダーギャップ指数が146カ国中33位(2023年)と日本よりも高い。国際女性デーで行われるデモに対しても国民の関心度が高く、学校や仕事場に行かずにデモに参加する。そして、『もしメキシコから女性がいなくなったら』ということに思いを馳せるそうだ。大使は『国際女性デーである3月8日だけが女性の日ではない、日にちは関係ない』と話されて、私はこの日に囚われていたことに気がつかされた。しかしながら、日本では国際女性デーすら関心が薄い。だから、メキシコのように『もし日本から女性がいなくなったら』と想像させる日にすることは社会を変える一歩になるのではないかと思う。大使のお話をこんなに近くで聞けて、質問できる機会は貴重だったので、次につなげていきたい。」

・「メキシコではクオータ制義務化や政党候補者へのパリテ導入が義務化、6月に世界経済フォーラムから発表された2023年度ジェンダーギャップランキングではメキシコの政治分野の評価は15位である。私は女性参画に徹底した取り組みに驚き、どのようにしたらここまで社会が変化するのか気になっており、大使に『日本の女性とメキシコの女性では社会活動の意識にどのような点に違いがあると思うか』という質問を伺うと、大使は、『周囲や社会へ声を上げる勇気をもつことである。その背景には、30年ほど前のメキシコは日本と同様に女性の政治への参画率は低かったが、女性たちのムーブメントや制度の整備により変化があった』と仰っていた。また、私は父の仕事の関係で3歳の時、パチューカ(Pachuca)とイラプアト(Irapuato )に1年ほど暮らしていた。『Mi amor(私の愛)』この言葉と愛情たっぷりの『べシート(キスの挨拶)』はスペイン語をほとんど忘れた今でも、記憶に深く刻み込まれている。メキシコは愛と情熱で溢れてる街であった。そして、今回の大使が私たちにくださった熱いメッセージは愛の街、メキシコを思い出させてくれると同時に、ジェンダー平等への新たな活力を与えてくれた素晴らしい講演であった。」

・「日本の政治分野の評価は146カ国中138位と過去最低の順位を記録した。女子大学に通う学生として危機感を覚えつつも、女性の政治参画は制度や構造的により多くの場面で不平等な立場に置かれている状況を私たちの一人ひとりの声や行動が今の社会や政治について関心を持ち変革する勇気を持つ必要があると大使の話を聞いて改めて考えることができた。」