学寮便り 望秀学寮最終日 [2019年06月11日(火)]

望秀学寮最終日は、双六の競技会・評価会を行いました。

 

 
競技会の様子。

他の班が作成した双六でゲームをすることによって、
その班のテーマである作品への興味や理解が深まったのではないでしょうか。
班によって様々な仕掛けやルールを設定しており、競技会では盛り上がりを見せていました。
また、1年生と3年生混合で競技会を行ったので、違う学年の人たちとの交流もできたのではないでしょうか。

夜の反省会の後は双六の表彰式を行いました。
1位:3B-2班の【松尾芭蕉(おくのほそ道)】
 

2位:1A-5班【流行語大賞】
 

3位:3A-7班【太宰治】
 

どの班も初日から班員同士で案を出し合って、協力しながら作品を作り上げている姿が印象的でした。
今回、残念ながら入賞とならなかった作品も、日文らしい創意工夫に富んだ作品ばかりでした!

(UR)

学寮便り 東明学林3日目『名作の出版広告の作製』発表会 [2019年05月30日(木)]

東明学林3日目は快晴に恵まれました。
朝は労作活動から始まります。
今年は落花生の種薪、枝豆の苗植え、ジャガイモや玉ねぎの収穫など
を行いました。

午後からは2日目に続いて『名作の出版広告の作製』発表会が開催されました。

発表では、作者の人物像や物語のあらすじを簡潔に述べ、それに加えて広告のレイアウトの特徴や色使いの
こだわりについての説明をします。各班、広報担当になりきり見事なプレゼンテーションを披露しました。
日本語日本文学科ならではの「ことばの伝え方」「クリエイティビティ」が発揮される瞬間です。






あっという間に1日は過ぎて、東明学林での生活もいよいよ終盤です。

(KM)

学寮便り 望秀学寮3日目 [2019年05月30日(木)]

望秀学寮3日目の本日は、労作活動を行いました。
昨日までの雨が嘘のような晴天の中、
1年生は海岸清掃、3年生は花の種まきを行いました!

<1年生>

一生懸命、海岸清掃をする1年生。
広い範囲での清掃活動でしたが、皆さん真剣な様子で労作活動に取り組んでいました。


こんな物まで拾いました!

<3年生>


3年生は慣れない道具を使用しながらでしたが、
一生懸命、種を蒔くための畝を作っていました。


夏らしい素敵な看板も作ってくれました!

本日はこの後、メインの双六競技会・評価会が開催されます。
現代では「双六」というと「ひと昔前の子供の遊び」という感じがしますが、
『枕草子』や『源氏物語』などの古典文学にも双六は登場します。
今回はその双六を各班ごとに一から作成しました。
競技会では、最後の午後を楽しく過ごすのが第一目標ですが、
それ以外に「評価試験」を行う目的もあります。
他の班が作成した双六を楽しみつつ、じっくりと観察をし評価をしましょう!
双六競技会・評価会をお楽しみに!

(UR)

学寮便り 東明学林2日目 [2019年05月29日(水)]

学寮2日目が始まりました。
今年の学科独自の研修プログラムは『名作の出版広告の作製』。
近代文学の名作を予め読み、それらを「出版物」としてどう世の中に
打ち出していくかを考え、研究対象としてみていた近代文学のちがう側面
を探ります。

中島敦『名人伝』
谷崎潤一郎『刺青』
川端康成『弓浦市』
芥川龍之介『魔術』
横光利一『蠅』

以上の5作品が今回のお題です。

本学科生の個性溢れる発表を期待しています。
明日は発表会!!

(KM)

学寮便り 望秀学寮2日目 [2019年05月29日(水)]

望秀学寮2日目の今日はキャリア講座が開催されました。

1年生は「新聞の読み方」、3年生は「自己分析」というテーマで行いました。

<1年生>
  
真剣に新聞の記事を読む1年生。


グループワークの様子。


最後は学生の発表を行いました。

<3年生>


自己分析をすることで自分を知ることに繋がり、自信を持って自己PRをすることができます。
今回の研修ではその総仕上げとして模擬面接を行いました。
代表学生の皆さんは講師の方の質問に対して、ハキハキと受け答えをしていました。

明日は労作活動や双六の競技会などがあります。
学寮生活も2日目、疲れが溜まりやすい頃となっていますので、ゆっくり休んで明日に備えましょう!

(UR)

学寮便り 望秀学寮1日目 [2019年05月28日(火)]

5月28日(火)より望秀学寮が始まりました。

学寮初日の本日は、避難訓練、係打ち合わせ、導入集会などを行いました。


導入集会では各係のチーフより、目標の発表がありました。
1年生と3年生で協力をして、目標を達成できるように頑張ってください!


導入集会の後は灯の集いの歌の練習を行いました。
運営委員と協力学生が1年生の手本となり、率先して歌ってくれました!

明日からは本格的に学科プログラム(双六作成)が始まります。
班で協力をして、面白い作品を作りましょう!

(UR)

学寮便り 東明学林1日目 [2019年05月28日(火)]

〈学寮便り〉

2年生の東明学林学寮研修がはじまりました。
バス研修では、あいにくの雨にみまわれましたが
学寮に着く頃には天気は少し回復し、雨のおかげか
ベランダからのぞむ山々の緑が一層色濃く美しく見えました。

バス研修では神奈川近代文学館に行きました。
 

開寮式で身を引き締めます。

各係で打ち合わせ。それぞれ任務の確認と目標を決めます。
 

導入集会では、係のリーダーが皆の前で先ほど決めた目標を発表します。
 

日文らしく短歌の授業を受けます。

美しい自然の景色をパシャリ。

これから3泊4日、健康に気を付けて実りの多い学寮研修にしましょう!

(MR)

授業風景「日本語教育Ⅱ(音声と音声指導)」 [2019年05月21日(火)]

〈授業風景〉

今回は、日本語教育Ⅱ(音声と音声指導)についてご紹介します。

音声学や音韻論と聞いた時、どのようなことを学習するのか、
受講生も事前に授業の計画であるシラバスを読んできたとしても、
あまりイメージを持てないまま1回目の授業に参加しているように思います。
そこで、私は、1回目の授業では、この授業で取り上げる項目の例を
日常生活から取り上げて、受講生にこれから学ぶ内容のイメージを
持ってもらうようにしています。
そして、授業の最後に「これまで音声に関して印象に残っていること」について、
自由記述で受講生に思いつくことを書いてもらっています。

受講生からは、外国語の聞き取りや発音で苦労したことに関する内容よく指摘されます。
例えば、「イタリア語で巻き舌ができなかった」、
「韓国語は/ウ/と/オ/が二種類ずつあるが区別できなかった」、
「中国語の声調が大変だった」といった内容です。
これらの学生の経験をふまえて、なぜできなかったのか、なぜ難しかったのかについて、
学生が納得できるように授業を進めるよう心がけています。

日本語母語話者の場合、外国語学習では聞き取りや発音で苦労することが多いかと思います。
逆に、その苦労がわかるだけに、そのメカニズムを学ぶことで、
日本語学習者の苦労にも理解が及ぶのではないかと思います。
世界の日本語学習者は、日本語の音声に関して何を難しいと認識すると思いますか?

なお、今年は1回目の授業で、「令和」についても、音声だけでなく
広く日本語教育からみたポイントを取り上げてみました。
このように、私はどの授業でも、できるだけ日常生活の多様な現象を
日本語教育の視点からみて取り上げたいと考えています。
今回ご紹介したこの授業では、日本語教育の中でも「音声と音声指導」という視点から、
受講生と一緒に日常生活の現象を考えていきたいと考えています。

(OB)

ことばの移し替えが〈翻訳〉ではありません [2019年05月15日(水)]

〈日文便り〉

Maria Kuwahara Smoldersさん(オランダ・アムステルダム在住)は、
遠藤周作「わたしが・棄てた・女」をオランダ語訳(Het meisje dat ik achterliet )し、
2019年1月に出版なさった方です。

5月9日(木)4限、日本文学Ⅱ(近代C)遠藤周作の授業に、
マリアさんと、夫 桑原英郎さんをお招きし、
事前にお伝えしていた学生たちの質問にも答える形で、翻訳にまつわるお話をうかがいました。
マリアさんは、国際基督教大学で日本語、 日本文化を学び、
在日オランダ王国大使館文化部に 2011年まで勤務なさっていたので、
流暢な日本語でお話しくださいました。

翻訳の学校に4年間通い、出版社の人から勧められ、ご自身も好きだったので、
遠藤周作「わたしが・棄てた・女」を訳すことにしたマリアさんは、
英訳本・仏訳本を参考に日本語からオランダ語に訳したとのことです。
「自然なオランダ語になるように訳す」ことを大切にし、そのためには、さまざまな困難があり、
工夫を凝らすことが必要だったと語ってくださいました。
文化への深い洞察も必要だったそうです。

以下、お話をうかがった学生たちの感想です
(皆、強い印象を受けたのでしょう、たくさん書いてくれました)。

〇翻訳者というのは、原作者と読者を繋ぐ存在ですが、その際に両者の意図を汲んだ上で
作品を作り上げるというお話が印象的でした。
日本独自の考えや思想、文化を尊重しながら、読者であるオランダ語話者が
読みやすい文章をつくるというのはとても繊細な作業なのだと実感させられました。
また、日本語話者である我々が読んでも疑問に思わない、そのまま流して
読んでしまうような部分も他の言語話者の方から見ると矛盾が生じていると感じたり、
違和感を覚えたりするということを改めて認識する機会になりました。

〇言葉の意味を訳するだけでも大変なことなのに、文字の形(例えばンとソ、体と休)なども
意識しなくてはならないのはもっと頭を使わなくてはならないことだと思うので、
翻訳は本当に難しいものなのだと思いました。

〇日本語からオランダ語の翻訳にあたって苦労した言葉、
こたつや雑炊といった日本特有の物の名前はある程度予想していましたが、
感嘆詞の表現がシンプルゆえに難しいということは、日本人だと気付きにくいなと思いました。

〇「ン」と「ソ」の違いをどうするかというのも面白い問題でした。
色々なやり方がありそうですが、なるべく元を崩さずにアルファベットで表そうとすると、
スモルデスさんが言っていた通り、「n」を「m」にして「enokem」などが妥当なんでしょうか。
講義中はすっかり失念していたのですが、ネイティブのオランダ語を話してもらえば良かったです。
聞いたところで理解はできないのですが、他の国の言語をナマで聞く機会はほとんどないので、
せっかくのこの機会に質問しておくべきでした。猛省です。

〇翻訳と聞くと、ただ淡々と別の言語に訳していく技術的で単純なものだと思っていたのですが、
家族の方と協力したり、遠藤周作学会の方に相談したりと長い時間をかけて
試行錯誤を繰り返しながら完成させていくものなのだと知り、驚きました。
その為、「遠藤周作が書いた本を翻訳したものではあるけれど、
このオランダ語に翻訳した本は私が書いた本だと言いたい」とお話しされた理由が分かりました。

〇ただ翻訳するのではなく、読者に読みやすく翻訳するということがわかりました。
日本にしかない表現をオランダ語で表現することの大変さも知りました。

〇今回の講義は非常に新鮮な体験だった。初めて翻訳家のお話を聞けたこともあり、
実際に触れてみないと分からない他言語と日本語の「差」を感じることが出来た。
マリア・スモルデルス氏はこの「差」を「レアリア」と表現していた。
実際の体験ではないため、想像でしか補完できない文の世界というのは、
この「レアリア」つまり「言語外の共通認識」の理解や表現が特に難しいのだろうと思った。
「レアリア」についてスモルデルス氏が出した例えに
「日本にあってオランダにはないもの」があったが、その話を聞いた時、
私はもっと細かい事象も「レアリア」に含むのではないかと考えた。
例えば現在の日本ではメロンはフルーツコーナーに置いてあるが、
別の国では野菜コーナーで売られているかもしれない。
こういった認識の違いを、翻訳上の表現に取り入れるのは至難の業なのだろうと思う。
こういった難しさは、日本語、他国語といった枠組みに関わらず、
文化圏や国の数だけ存在するのだろう。日本文学翻訳の難所は文法にあると
個人的に思っていた為、「レアリア」の存在は思わぬ要素だった。
今後翻訳された文を扱う際は、意識してみたいと思う。

〇以前から、一人だけ出身が違うキャラクターが喋るときの話し方を決める方法は
どのようにするのか気になっていました。
そして今回、韓国人と思われる金さんのカタコトの日本語を、
カタコトのオランダ語にするのは難しく、更に読者が自然なオランダ語に
感じられるようにした苦労についての話が印象に残りました。

〇今回お話を聞いて、はじめに思ったことはカタコトの日本語、名字の順番など
スモルデスさんのこだわりがとても強いことでした。
オランダ語の本を読む人が自然に文章を読めるように、というオランダ人への配慮と
作品の愛が素晴らしいと思いました。また授業の中でも
疑問点をいくつか出しているところからも、すごく深いところまで
読み込んでいると感じました。日本語のリズムや、雑誌掲載だったための
繰り返される説明の描写について一筋縄ではいかなかったこと、
そしてニュアンスの問題など一つに翻訳と言っても様々にあるのだと知りました。

〇外国の本を翻訳するにはその国に寄り添わなければ書けないのだなと思いました。

〇マリアさんはさまざまな言語で本を読んでいて、それぞれの面白さがあるということを受けて、
日本語しか話したり、読んだりできないことに対してもったいないなと思いました。
1つの文章を読むのにも、その言語によって感じ方や表現が異なるため、
私もそのようなことができるようになりたいと興味を持ちました。

〇 一番大切にしたのが、オランダの人が実際にマリアさんの本を読んだとき、
ごく自然に読めることだ、と話されているのが、印象的だった。
翻訳をするという、本来の意味や意義を見つけた気がした。

〇本についての話しかないと思っていたので、意外にもこの会で様々な文化や言葉の違いを
気付かされて、とても勉強になった。
言葉の魅力というのは、やはり世界共通の偉大なものだと感じた。

〇私はこれまで「翻訳」という仕事に対して外国語ができればこなせるものだと
思っている節がありました。しかし、今回翻訳をする上での言語特有の表現や文化の違いによる
壁を感じた部分があるという具体的なお話を伺い、考えを改めました。
遠藤周作本人はすでに亡くなっているにも関わらず、今もなお日本文学が
世界でも読み継がれていると知り、喜ばしく思います。
書物を手に取りやすい環境を作りたいという夢がある私にとって今回のお話は
大変勉強になりましたし、今後は自ら積極的に
海外の文化に触れる体験をしていきたいと思いました。

(FE)

「今日は、未来のリハーサルじゃない」 [2019年05月14日(火)]

〈受験生の方へ〉

「受験勉強」という言葉を聞くと、ネガティブモードになる人の、なんと多いことか!
でも、私はあえて言いたい「受験勉強は楽しい」と。
決して強がっているのでも、あえて、アバンギャルドに見せてたくて言っているのでもないのです。
「学びは冒険」これは、かつて受験生だった、私の「本音」だからです。

山口県の田舎で育った私は一度も「学習塾」と名のつくところに通うことなく、
「受験生」としての日々を送ってきました。
そんな私にとって、学校という空間は「学びのワンダーランド」であり、
「先生はえらい人」だったのです。
そう、「先生はえらい」そう言える先生に出会ったことが今の私の根っこを育ててくれたのです。
「その先生って、【教え方が上手】とか【受験にでるところをあてることができる】とか、
そんな先生ですか」そう聞かれるたびに答えます。「そんな先生とは真逆です」と。
「言ってることが難しすぎて、全然わからなかった」私の先生は、
たくさんのモヤモヤを私に残してくださった、
だからこそ、「?」を巡る私の学びの冒険は始まったのです。

もちろん、私が「えらい」と思う先生に懐疑的な同級生もいっぱいいました。
「どうせ試験にでないのに」それが口癖のN君は能率効率至上主義。
「お前さ、受験に関係ないことやって、何か意味ある?」と突っ込むので、
「面白いもん」というと「ばかじゃね」と一蹴。
「学びは受験のためのものじゃない」というと、「きれいごというなよ!」で喧嘩勃発。
「難関大学パスポートを手にするため、受験勉強に励むのだ」と主張する彼に、
私も引かず「今は、将来のためのリハーサルじゃない、
今学ぶのは、今ここで知りたい、もっとわかりたいと思うから。
未来のために、明日のために、今があるんじゃない」
今思うと、そこまで、私がむきになったのは、
いきなりこの世から去ってしまった友人のことがあったからかもしれません。
多くの人は、明日はこない、とは考えないものです。
でも、友人の死を前にした私にとって、
「今、ここ」で生きることこそが重要となっていたのですから。

「今ここで」、ハッとしたもの、えっ、おやっ、そんな「?」や「!」の
観察筋トレを続ける中で、新たな学びへの「気づき」センサーの感度が上がります。
学校という学びのワンダーランドには、ワクワクを教えてくれる
多くのマスター(師)がたくさん、それは、教師だけでなく、身近な仲間であることも。
まなざしを変え「気づき」「驚く」「発見」の楽しさを知ると、
まだ見ぬ何かを探しにいく「受験勉強」ですら、面白がるセンサーが育っていくはずです。

さあ、ポップでディープな学びを、一緒に始めませんか?

(AO)