近現代文学を読む「演習Ⅰ」授業紹介(2017年6月26日) [2017年07月07日(金)]

<授業風景>

今回は、演習形式で近現代文学の作品を読み解いていく授業「演習Ⅰ」をご紹介いたします。
演習とは、教員が講義をする授業とは形式が異なり、学生が主体となるもので、対象のテーマについて調べ、考察した成果を発表する場となります。
そして発表後には、それを聴いていた他の学生との間で質疑応答を行っていくことで、より深い結論を導き出していくことを目標としています。

私が担当している「演習Ⅰ」はテーマが近現代文学のため、毎回比較的短めの小説などを対象に、それぞれのグループが発表しております。
これまで扱ったのは夏目漱石、芥川龍之介、宮沢賢治、梶井基次郎、太宰治、安部公房、吉野弘、宮部みゆきなどの作家の作品です(最後に川上弘美の作品をやる予定です)。

発表グループは、まず対象の作品に向き合い、緻密に読解していくために、それぞれで討議しなければならず、そこで得られた知見をレジュメ(発表者が参加者に配布する、発表内容を簡潔に記したものです)としてまとめ上げていくこととなります。

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そうした経験を積み重ねていくことで、徐々に力をつけていくこととなるのですが、この授業におけるもう一つの大きな意義とは、何といっても質疑応答にあります。

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発表グループが一生懸命用意してきたレジュメに対し、他の学生が疑問や、他の読解の可能性をぶつけていく。

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もちろんこれは意地悪でも何でもなく、むしろ、しっかりと準備してきてくれた発表側への敬意でもあり、実際に、レジュメが質量ともに充実していた回の方が、質疑応答は盛り上がる傾向にあります(今回は、序盤のためか、掲載されている写真の段階では、実はまだそこまで質問が出てはいなかったのですが、その後、改めて活発な議論が行われました)。
そしてそうした質疑応答の果てに得られた読解は、結果的に、発表直後よりもはるかに整理され、説得力が増している場合が多いです。

授業では、日本の近現代文学を対象として演習を行っているわけですが、こうした経験は、日常の、または社会の様々な事象に対して疑問を持ち、自ら問いを立てていく姿勢、そしてそのことを周囲と話し合っていく姿勢につながっていくはずです。

それは、現在だけでなく、いつか社会に出た際にも必ず活きてくると思います。

 

(山田夏樹)