受験生のみなさんへ

〈受験生の方へ〉

すっかり秋らしくなってまいりました。
今回は、大学での学びについて述べたいと思います。

大学では、色々と知識を増やすことができますし、様々な資格を取得することもできます。
それは、みなさんの生活に、非常に有益なものをもたらしていくと思います。

一方で、すぐに直接的に、わかりやすい形では成果が見えてこないような学びもあります。
それは、ものの見方や考え方自体を、身につけていくということです。

例えば、読書をしたり、テレビや映画を観たりした時などの、何気ない日々の場面において。
面白かった、楽しかった、すごかった。

あるいは、退屈だった、つまらなかった、不快だった。
……といった反応だけではなく、何故そのように感じたのか、ということ自体を考えていく。

それは、「○○を面白いと感じた自分は、どのような価値観の持ち主なのか」といったことを問い直す行為であり、また自分はそうした価値観を、これまでどのようにして培ってきたのか、ということを問い直す行為でもあります。

「文学を読むことは、自分を読むこと」などと言われますが、それは文学に限ったことではなく、もちろん先にあげたテレビや映画だけでもなく、我々を取り巻く様々な文化や情報においても言えることです。
情報の溢れる時代とも言われますが、だからこそ、そうしたものと何となく関わるのではなく、それらについてよく考えた上で、同時に、自分自身についても考えていく。

学生として学ぶことのできる期間は実際には限られておりますが、しかし社会に出た後も、考え続け、問題提起をし続けることのできる姿勢を身につけること。これは、目に見える形や数字としてはあらわれにくいものではありますが、とても重要なものです。

みなさんの大学での学びが、そのようなものとしても、結実していくことを願っておりますし、そうした場を共有していきたいと考えております。

 

(山田夏樹)