授業風景(日本文学演習ⅢF) [2017年11月28日(火)]

<授業風景>

街では早くもクリスマスソングを鳴らす店もあり、大学のキャンパスでも恒例のクリスマスツリーの準備が数日前から進められ、空高く聳える木の天辺には大きな星が飾られて、十二月の点灯を待っている。

今年もあとわずか、と思うこの頃であるが、「今年もあとわずか」は四年のゼミ生の前では禁句である。「今年もあとわずか」と言って発破をかける方法もあるが、それぞれのスケジュールに沿って日々卒論の原稿作成に真剣に取り組んでいる学生の姿を見ると、発破をかけて激励するよりも、冷静さと熱意をもって作業が順調に進められるよう、祈るような思いで静かに見守るしかないように思われる。

今年のゼミ生が卒論で対象とする作品は、『徒然草』や『十六夜日記』など、高校生にも作品名が知られているポピュラーなものもあるが、中世王朝物語の『恋路ゆかしき大将』や『しのびね』、お伽草子の『一本菊』など、作品論の先行研究があまりない作品も多く、そうした開拓途上の作品に果敢にチャレンジする学生が多いという特色がある。

論文の構成、提出までの作業予定日程は、全員すでに決まっているので、残された日にちに対してたかを括ったり、当てずっぽうな計画で油断するようなことはないであろう。同じ日数の量でも真剣に取り組む者には、時間の質も異なってくる。
学生生活最後の秋の暮れ、日を惜しむかのように卒論作成に没頭するゼミ生にとっては、実際に「今年もあとわずか」ではないのである。

(ks)