受験生の方へ

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〈受験生の方へ〉

古典というと、何だか難しくて大変だと思われるかも知れませんが、
各種注釈書、現代語訳が非常に充実しているため、最初のうちはそれらを
頼りに読んでいけばよいかと思います。繰り返し読んでいるうちに、
作品の行間に凝縮されている言葉の意味、ひいては作者のメッセージを
自ずと読み取れるようになります。そして読んで感動することも大事です。

大学の古典授業では、昔ながらの古語辞書を片手に現代語訳の作業に
悪戦苦闘するやり方はもう通用しないのです。例えば『源氏物語』を
講読する授業ではバリエーション豊富な「源氏絵」などの画像を通して、
主な女性登場人物を取り上げながら、物語におけるそれぞれの人物の役割に
ついて講義し、平安貴族女性の生き方や心のあり様、さらには王朝貴族の
婚姻制度、衣装、住居、調度などの文化的事象を物語の中から探ります。


文学作品には必ず作家の生きた時代背景が込められているはずです。
そのため、紫式部の生きた時代の漢文日記やその他の歴史的資料を参考に
『源氏物語』を立体的に読み解いていくことを心掛けています。
また学生同士がディスカッションを通して各々の考えを発表し、時には
平安時代の生活様式を実体験するために、几帳や屏風も作ったりします。
期末試験では、従来通りの筆記試験ではなく、自分が授業を通して何を
学んだのか、学んだことについてプロジェクターを駆使しながら発表する
という形を取っている時もあります。いつか皆さんと一緒に古典授業の
楽しいひと時を過ごすことができるように願っております。

〈SK〉