2020年1月

高御座・御帳台を拝見して。出雲と大和展を見学して [2020年01月28日(火)]

東京国立博物館で、令和元年10月22日の即位礼正殿の儀において天皇陛下がお昇りになられた高御座と、皇后陛下がお昇りになった御帳台を拝しました。
あまりの大きさと装飾の見事さに圧倒されました。


【御帳台(手前)高御座(奥)】

高御座の高さは6メートル50センチくらい、四角形の台座の上に、八角形の天蓋が設けられています。頂上には大鳳が止まっています。高御座は『続日本紀』文武天皇即位の詔に「天津日嗣高御座」と出てきます。古くから皇位継承と深く関わっていました。「高御座」には歴代天皇に伝わる三種の神器のうちの剣璽と御爾・国爾を置く台(案)も儲けられていました。


【高御座内部】

御帳台は隣に置かれた高御座と比べると作りはほぼ同じですが、高さも大きさも小ぶりであることがはっきりとわかりました。蓋の頂きには鸞が止まっていました。現在の高御座は大正天皇即位に際して新調されたものですが、その時から即位式で皇后も隣に並ばれるようになったため、御帳台も作られました。
今回は後ろ側からも拝する事が出来、京都御所の紫宸殿で見た時とは異なり、その偉容や美しさを身近に感じることが出来ました。


【御帳台背面】

「出雲と大和」展は日本書紀成立1300年を記念した特別展です。『日本書紀』神代巻(乾元本)や出雲国風土記(倉野家本)、播磨国風土記や考古学の貴重な展示物などに目を奪われました。出雲大社の心御柱と宇豆柱、金輪御造営差図を併せて見ることが出来ました。荒神谷遺跡や加茂岩倉遺跡から出土した銅鐸や、黒塚古墳出土の鏡も見事でした。神原神社古墳出土の「景初三年」の銘が見える三角縁神獣鏡、石上神宮の七支刀や「日の御盾」、藤ノ木古墳の出土品も間近でじっくり眺めることが出来ました。

太古からの気の遠くなるような時間の流れの中で繰り広げられた人間の営みに直に触れる時、
自分が現代に生きる人間であることを忘れ、時の流れが止まったように感じます。
人間が作り上げてきた技術と創造の見事さに心を奪われます。
(KR)

授業風景「日本語学Ⅰ(音声と音韻)」柳家小せん師匠をお迎えして [2020年01月16日(木)]

〈授業風景〉

日文の開講科目「日本語学Ⅰ(音声と音韻)」に
特別講師として落語家の柳家小せん師匠をお招きしました。

まず初めに、落語ならではの日本語の表現や
道具や所作について説明を受けます。

その後、実際に
演目「御神酒徳利(おみきどっくり)」をききました。
(この日はいつもの教室が即席の高座に早変わり!!!)

以下、学生達の感想です。

*********************************************

落語のすごいなと思うところは、一切聞いたことのない、登場人物の説明もない話でも、聞いているうちにすぐ理解できるところだと思いました。目線の使い分けや仕草が本当に細かくて、聞くだけでなく見ているのもこんなに面白いんだと思いました。くすっと笑えるところが多くて、気づいたら夢中になっていました!話すスピードが絶妙で、文章量がある分、ある程度早く喋っているのに、間がしっかりあるから聞きやすかったり、抑揚があるので一語一語聞こえるものだなぁと思いました。

扇子をはしに見立ててそばを食べる仕草は拝見したことがありましたが、扇子と手ぬぐいを両方使って手紙を書く仕草や扇子でたばこを表現しているのは初めて見たのでとても興味深かったです。衣装などは同じであるのに、言葉遣いや体の角度、動かし方で老若男女や職人、侍などを演じ分けていて感動しました。

話の切れ目がないのに、誰が話しているのか、今どのような状況なのかを説明しているのかの区別がわかりやすく、すらすらと頭に入ってきたことに感動した。性別だけでなく、身分の違いまで分かった。お客さんとの共同作業といわれるように、風景・情景などを想像しながら聞くことができ、絵本を読んでいるかのようだった。途中、会話の場面で相手が相づちしているかのように話していて、聞いている自分の中で会話を作っているかのようでした。

噺家さんは一人なのに、たくさんの登場人物を演じ分けていて、それが見ていながら不思議と伝わってきて目の前に何人もの人がいるようでした。また、扇子と手ぬぐいを使った仕草がとても興味深く、特にそろばんをはじくシーンは持っているものと聞こえる音がそろばんにしか思えませんでした。テンポの良い掛け合いも好きだけど、その中に時折ある“ポーズ”の部分でぐっと引き込まれる感じがしました。話し方、伝え方、そして日本語の面白さをたくさん見せていただいた貴重な時間でした。

*********************************************

学生たちは実際に間近で落語をきき、
話し方だけでなく、表情や仕草、音の効果や間の取り方などの大切さを肌で感じ、
一気にお話の世界に引き込まれていたようでした。

そして、他の落語もききに行ってみたい!という学生の声も多く聞こえました。
寄席というと何となく敷居が高いイメージがありますが、
今はカジュアルに楽しめる場所も色々あるようですので、
これをきっかけに思い切って足を運んでみるのもいいかもしれません。

柳家小せん師匠、貴重な経験をありがとうございました!

(IR)

日本語教育能力検定試験に3名合格! [2020年01月15日(水)]

<日文便り>

こんにちは。日文で日本語教育を担当している植松です。
本日はとても嬉しいお知らせがあります!

2019年10月に実施された日本語教育能力検定試験に、学生3名が合格しました!!
3名のうち1名は大学院生、2名は学部生です。1人は日文4年生のSさん、もう1人は英コミ3年生のFさんです。現場経験がない学部生が合格するのはなかなか難しいと言われているのですが、学生の努力により合格者が出たことを大変嬉しく思っています。

学部生の2名は今期、「日本語教育特論(1)言語」という日本語教育能力検定試験対策を含む科目を履修していますので、1/9の授業で受験動機や効果的な学習法・後輩へのアドバイスをお話してもらいました。

 

なお、合格した3名は、昨年度から毎年夏に実施しているピアサポートTA制度による日本語教育能力検定試験対策のための夏期講座」に参加しています。そのうち2名はTAとして活躍してくださった方です。既有知識を相手に分かりやすく伝えることを通して、より学びが深まったのではないでしょうか。

この講座は来年度も実施予定です。
受験を目指す学生は、是非TAとして積極的に参加してください。
今後受験を視野に入れている下級生も、ぜひお気軽にご参加ください。

共に学び合い、合格を目指しましょう!

(植松)

授業風景「日本語学Ⅱ 調査研究」 [2020年01月14日(火)]

〈授業風景〉

日本語学の科目の一つですが、内容はパソコンと向かい合っての作業が大半です。
データを集めて分析する、というのは研究の基本。
ただの作業結果の報告や感想に終わることなく、きちんと「研究」ができるよう、
3,4年生を対象に電子化されたデータの使い方や、統計の取り方を学んでいきます。

近年、データを基にした客観的な研究がなされるようになり、
日本語の研究でも数値やグラフを目にする機会が増えています。
そうなると、「数との付き合い方」もしっかり考えなければならなくなります。
きちんと数値化したら、客観的な議論ができるように見えますが、
実際はそう単純な話ではありません。

例えば・・・
ある単語について、2つの作品においてその出現頻度に差があるのかを調査するとします。
分母をそろえるため、作品Aも作品Bも1万語分、調査したとしましょう。
そして、調査対象とした単語は作品Aでは51回、作品Bでは49回出現した、
という結果が得られた場合を考えてみましょう。
この結果に対し、まずは「作品Aの方が多く出現する」と言えます。
しかし一方で、1万分の51と1万分の49って、「ほぼ一緒」じゃないか。
誤差みたいなものだし、両者の数値がぴったり一致する方が奇跡に近い。
だから、「AとBには差がない」とも言えそうです。
このように、数としては動かしがたく「51」「49」という「客観的な」結果が出ますが、
その「評価」の仕方には、主観が入り込む余地があります。
数さえ出せば客観的なように見えますが、結論をどちらに持っていきたいか次第で、
「一方が多い」とも、「両者に差はない」とも言えてしまうんです。
そこで本当は、「どのくらい差があったら、差があると認めるべきか」などまで決めていかなければなりません。

・・・こんなことを考えていくのがこの授業です。
紙と鉛筆ではなくパソコン画面、内容は国語というより数学、と、
いつもとはちょっと雰囲気の違う時間です。
とはいえ、受講生のすべてがパソコンが得意なわけでも、数学が得意なわけでもない。
むしろ、パソコンや数学から縁遠い学生たちが、自分たちの研究分野に必要な形で、
苦手だった分野の力をつけていく時間と位置付けています。
少人数、わからない仲間同士、という安心感もあって、活発に質問も出ます。
受講にあたっては数学もパソコンもできなくていい、わからないからできるようになるための時間です。
方法(料理の仕方)が身につけばいいので、調査対象となるデータ(食材)は自由。
この時間内に自分の興味のある研究対象の研究を進めることもできますし、
この授業の手法を使って、卒業研究につなげていった先輩方もたくさんいます。

作業をしながらなので自然と学生とのやり取りも増え、
いつもの講義とは違った時間が流れる授業です。

(SN)

卒業論文提出日 [2020年01月08日(水)]

〈日文便り〉

雨が降る寒い日となった本日は、
大学生活4年間の集大成でもある卒業論文の提出日でした。

皆、どことなく緊張して落ち着かない様子。

それぞれの想いが詰まった卒業論文、
私たちもその重みをしっかりと感じながら大切に受け取ります。

提出を無事終えた学生は、
皆、ほっと一安心した様子で笑顔も見られました。

気づけば雨もすっかり上がり、
晴れやかな空はまるで学生の心のよう。

大学生活も残りわずか、
まずはゆっくり休んで、残りの時間を有意義に過ごしてくださいね。

本当におつかれさまでした!!!

(IR)