コロナ禍をのり越えるユーモア [2020年10月14日(水)]

<日文便り>

コロナ禍に見舞われて早くも半年余り、「ニュー・ノーマル」と言われる社会生活にも、オンライン授業にも、学生・教員ともどもすっかり慣れた感があります。ふり返ってみれば、教員も学生も、4月に突然始まった慣れないオンライン授業には、大きな負担を強いられました。朝から晩までコンピュータ画面と向き合い、電子情報と格闘する日々は、旧世代の私には厳しいものでしたが、それでも何とか無事に前期を終えることができました。後期からは一部の授業が対面で行われるようになり、キャンパスには学生の姿も見られるようになり、少し活気を取り戻しつつあります。

少し周囲を見回せば、仕事を失うこともなく、「辛い」と言いながらも本業を続けることができている私たちは幸運なほうです。街でよく利用していた店の扉にいつの間にか「閉店」の文字を見ることが何度かあり、飲食店などコロナ禍で大きな影響を受けた職種の方々には、本当にお気の毒な気持ちになります。コロナ禍は家庭生活や友人との関係にも影を落とし、息苦しさや寂しさを味わっている人たちも多いことでしょう。

そんな中、先日の「朝日歌壇」に、ほっとするような短歌を見つけました。選者は、本学卒業生でもある馬場あき子氏です。

 §コロナ禍で麒麟は来ないと呟けばアサヒあるよと妻は言いたり   及川 和雄
 §春過ぎて夏来たるらしマスク干す3密禁止の東海の島       中曽根儀一
 §「巣ごもりに短歌はいかが」と誘うからライバル増えて入選遠のく 貴山 浩美

                  <朝日新聞2020年10月9日(金)朝刊より>

文化には、未曽有の禍をも笑いに転じる力があるのだと、また明日に向かうエネルギーをいただいた気がしました。
(YN)