ブックリレー第10回

インスタグラムで始まった「日文生ブックリレー」をブログでも掲載しています。
今回で第10回目です。

日文のインスタグラムは以下の通りです。日ごろのイベントなどをアップしています!
是非覗いてみてください。
日文アカウント:@swu_nichibun_official

本を通じて日文生同士はもちろん、受験生の方とも繋がっていければ嬉しいです。
今回は3年のお2人です?

①MSさん⛄

こんにちはー

車の運転楽しいですねぇ、初心者マーク付けてブンブン走ってますM.Sです!

今回私が紹介させて頂く作品は三秋縋さんの「いたいのいたいの、とんでゆけ」です。
(写真が電子書籍で見にくいですが、、)

「間にあわなかったんです。私、死んじゃいました。」

主人公は何もかもに見捨てられた男子大学生、湯上瑞穂。
驚く事に、もう一人の主人公は、湯上の車に轢かれ死んでしまった少女。

死んでしまった?お話終わっちゃうじゃんと思いますよね?そんな事は無いんです。
何故なら少女は「なかったこと」に出来るから。
でも、「なかったこと」にしたことはただ先送りになるだけ。
少女は先送りにした死が訪れるまでの十日間の猶予を、自分の人生を台無しにした人への復讐に費やす。
当然!と言うように湯上も付き合わされるわけです。
まぁ、既に人を轢いてしまってるわけですからね。
こうして復讐を始める二人ですが、それぞれに変化が現れます。もちろんそれは二人の関係にも。
復讐を経てたどり着く先には何があるのか、是非その目で確かめて頂きたいです!
少女の秘密、湯上たちの過去、二人の関係、残酷な復讐の結末、どれにおいても予想外な事ばかりです!

何を言ってもネタバレになってしまいそうなので、私からは一つだけ。
幸せって何でしょうか。苦しみが全く無い世界は確かに幸せです。でもそんな事は現実ではありえない。
苦しみに向き合い周りに不幸と思われながらも生きている。
この物語はそのような人たちを中心に描いています。
その姿を見つめ、ハッピーエンドとは何かなど、自分自身の幸せの価値観を改めて考え直す
そのような機会を与えてくれる作品だと思います。

残酷な描写が多く、読む人を選ぶ作品ではあります、、、。個人的には綺麗な作品だと感じました。
メディアワークス文庫なので、堅苦しさもなく読みやすいのではと思います。

個人的にあとがきまでしっかりと読むのをお勧めします。是非読んでみてください!

次は、最寄り駅も近くて個人的にドライブに誘いたいと思っているM.Nさん、よろしくお願いします!!

②MNさん?

こんにちは!最近はコロナ禍で遊びに行けず、家でゴロゴロしてるM.Nです。
ドライブでわたしを外に連れ出してください笑

さて、こんな私が今回紹介させて頂く本は、恩田陸さんの『木洩れ日に泳ぐ魚』です。

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その日の夜、アパートの一室。そこでは、別れを前に最後の晩酌を交わす男女がいた。
この宴を開いた理由は一つ。彼も彼女も、過去に遭遇した事故の真実を明らかにしようとしていたのだった。

彼は、彼女は、あの時からずっと予感していた。
一年前の旅行先で起きた、付き添いのガイドが山で転落死した事故。

あの男を殺したのは、いま目の前にいる人物であると。

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と、ここまで見ると「ミステリー?」「サスペンス?」と思いがちですよね。
最後まで読んでみた私の感想としては、「とある愛の形の話」だと思いました。
これは、全てを理解し終えたうえでラストを読み、感じることだと思います。

なぜ愛なのか?…はい、気になったそこの方!是非手に取ってみてください。

視点としては、この物語は「彼」と「彼女」の視点が交互に書かれていて、
そこから徐々に事件の真相を明らかにしていきます。

なんとこの話、初めは全く情報量がない。
にも関わらず、登場人物たちは全て理解した状態で物語が進行するのでモヤモヤします。非常に。

読者には訳の分からない状態から、章ごとに一つずつ明らかになる事実が衝撃で、全く飽きることを知りません。

とにかく絶妙な塩梅で次々に明らかになる登場人物たちの情報。
特に、基本的なことが全て判明する物語中盤までの疾走感は凄まじいです。

ただ、読み進めていくうちに、逆に不明瞭なことも両者の視点で分かってきます。
果たして過去の事故は本当にただの事故だったのか。それとも、2人のどちらかが犯人なのか。

この辺りにも注目していただきたい!

個人的に、長編であったり堅い文章が苦手なのですが、この作品は母におすすめされたその日に読了しました。
自分でもびっくり…。

読んでいくうちに飽きてしまい途中を飛ばしで読んでしまう人、長編が苦手な人にもこの作品はおすすめです。

次回は干し芋にはまっていると噂のM.Mさんです!

引き続き更新していきます✨
(CC)