ブックリレー第23回

インスタグラムで始まった「日文生ブックリレー」をブログでも掲載しています。
今回で第23回目です。

日文のインスタグラムは以下の通りです。日ごろのイベントなどをアップしています!
是非覗いてみてください。
日文アカウント:@swu_nichibun_official

本を通じて日文生同士はもちろん、受験生の方とも繋がっていければ嬉しいです。
今回も3年のお2人です👩

①MHさん

こんにちは。韓国アイドル熱が再発し、推しという沼に頭まで浸かってしまったMHです。
私は、須賀しのぶ『革命前夜』を紹介させていただきます。

【あらすじ】
バブル期の日本を離れ、東ドイツに音楽留学したピアニストの眞山
個性溢れる才能たちの中、自分の音を求めてあがく眞山は、
ある時、教会で啓示のようなバッハに出会う。
演奏者は美貌のオルガン奏者。彼女は国家保安省の監視対象だった……。
冷戦下のドイツを舞台に青年音楽家の成長を描く歴史エンターテイメント。

(裏表紙あらすじより引用。)

この作品を読み、改めてベルリンの壁が崩壊した当時のことを調べました。
この革命が起きたのは、1989年11月9日。
私が生まれる前の出来事ですが、意外なことにそれほど昔の出来事ではないことに少し驚きました。

物語の中でも、東ドイツ国内は終始暗鬱とした“灰色の”空気感が立ち込めていて、
革命が起きようとしている東ドイツの、嵐の前の静けさのような雰囲気がありました。

歴史エンターテイメントという位置付けにある作品ですが、
『歴史×音楽×青春』という絶妙なバランスを保った構成で、
読者を世界観へと引き込む独特な魅力があり、一気読みしてしまいました。

特に私が面白さを感じたのは、この物語内での人間関係です。
音楽留学生として渡独した主人公を取り巻く圧倒的才能の数々に、
何に対しても無関心な主人公の甘さが際立つ。
そんな主人公の価値観とは相反するように、冷戦下のドイツでは、
人間関係の種類は2種類しかありません。
誰もが互いに監視し合い、誰が仲間で、誰が敵か。密告するかしないか。
そんな人間関係しかないのです。

登場人物の関係性が二転三転しながら展開する物語は、きっと誰もが釘付けになってしまうはずです。
ぜひ物語に登場するクラッシック音楽を聴きながら読んでみることをおすすめします!

次は、最近のマイブームは文豪の墓参り(癖強い)だというNTさん、よろしくお願いします!

②NTさん📚

こんにちは、文豪のお墓参りをすることが好きなNTです。
今年の夏は、夏目漱石、泉鏡花、太宰治、森鷗外などのお墓参りをしました。
現在、最も訪れたい場所は夢野久作のお墓です。
今回、私が紹介する本は、太宰治『二十世紀旗手』です。
太宰治という小説家の名前は『人間失格』などの作品を通して知っている方も多いのではないでしょうか?
麻薬中毒と自殺未遂の地獄の日々――小市民の    モラルと、既成の小説概念を否定し破壊せんとした前期作品集。
「虚構の春」など7編。
(新潮社 「二十世紀旗手」ページより引用)
太宰治(1909-1948) 氏は、青森県金木村(現・五所川原市金木町)生れで、本名は津島修治です。
東大仏文科を中退しており、在学中、非合法運動に関係しますが、脱落しています。
彼は人生において、自殺を繰り返しますが、酒場の女性と鎌倉の小動崎で心中をはかり、
ひとり助かるなど毎度死にきれていないところも彼を語る上で大きな特徴の一つであるといえます。
1935(昭和10)年、「逆行」が、第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行します。
この頃、パビナール中毒に悩みます。
1939年、井伏鱒二の世話で石原美知子と結婚、平静をえて「富嶽百景」など多くの佳作を書きます。
戦後、『斜陽』などで流行作家となりますが、『人間失格』を残し山崎富栄と玉川上水で入水自殺を遂げます。
『二十世紀旗手』という作品は、丁度、太宰が薬物中毒による精神科入院や、心中など、
心身が不安定な状態にあるときに書かれた作品であり、
特に、視点の変化、いきなりの文章の断裂、日記風に文体が表現されている点において、
他の作品と比べてジャンル分けをすることが難しいと感じました。
太宰治、といえば気取った作家という感じがしますが、
この作品では彼の素直な内情がそのまま描かれているような思いがし、
自分と重ね合わせて読むことができる作品であると考えました。
特に、自分のすべてについて考え過ぎてしまう人に読んで頂きたいです。
以上、『二十世紀旗手』の紹介でした。
次は、アニメと韓国ドラマを観ることにハマっているMOさんです!

(CC)