好きなもの(藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄)を論じる、語る

卒論で何を対象とすべきか、という問題には色々な意見があります。
私は、好きなもので卒業論文を書くべき、と伝えています。
好きなだけでは論になりませんが、どうしたらそれがちゃんとした研究になるのかを考え、文章にしてくことは非常に勉強になるためです。

現代社会の、いまを生きている自分を好きにさせたもの(作品)には、新旧問わず、やはり何らかの価値があるはずであり、その意義を言葉にしていくことは、とても大事なのではないか、ということです。

私の卒業論文の対象は藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄で、理由はとにかく好きだからでしたし、それまで、あまり論じられていないことに納得がいかないためでした。
いまもその想いや研究活動はつながっていて、今年10月22日には、富山県「高志の国文学館」で「柏原兵三「長い道」と藤子不二雄Ⓐ 「少年時代」―「闖入者」との「友情」」という内容で講演予定です。
地元の高校生4名の方とトークセッションもする予定です。

卒論に限りませんが、自分にとって大事なもの(作品)がある方は、自分はなぜそれを好きなのか、そこにどんな価値が宿っているのかなど、考えて文章にしてみたり、誰かに語ってみたりする機会を持てると良いと思います。
言葉にして誰かに伝えようとすることで、思わぬ発見が生まれることがあるからです。
それは、好きなものがより大事なもの、かけがえのないものになる、貴重な瞬間、経験になると思います。

(山田夏樹)