<日文便り>
前回のボストン訪問記からの続きです。
3月20日(水)は、ハーバード大学に行ってきました。
せっかくかのハーバード大学に行くならば、実際に教えていらっしゃる方からお話をうかがいたい!と思い、事前に日本からアポを取っていたハント蔭山裕子先生(日本語教育)にお会いしてきました。蔭山先生はかつて昭和女子大学で非常勤講師をしていらっしゃったというご縁があり、西川先生からご紹介いただきました。昼食をとりながら昭和女子大学での思い出話、ハーバードで日本語を学ぶ学習者の学習動機、使用している教材、興味を持っている日本文化、好まれる教授スタイル等についてお話をうかがいました。
その後、蔭山先生が担当されている初級日本語クラスを見学させていただきました。
授業が始まる前に教室に入ってきた学生とは、自然と雑談が弾みます。日本に旅行に行ってきたという一人の学生さんに、蔭山先生が「何がおいしかったですか?」と聞くと、「いちごです!」とのこと。お寿司でもラーメンでもなく、「いちご」であることに驚きました。言われてみれば、日本のイチゴは、赤くて甘くて大きくて美味しいです。私が子どもの頃はイチゴが今ほど甘くなく、いちご狩りに行くとコンデンスミルク(懐かしい…)をつけて食べていましたが、今はそのまま食べても十分甘いです。小さなことではありますが、当たり前は外に出ないと分からない…ということを改めて実感した出来事でした。
授業では、18名の学生が『初級日本語げんき』の第13課を学習していました。
ビデオで会話を観る、会話練習、ロールプレイ、教科書にはないリアルな日本での就活情報等、1時間があっという間でした。特にロールプレイではアドリブをきかせながら楽しんで日本語を発話していて、そこここに笑い声があふれていました。英語圏の現地の大学における日本語教育現場を見学したのは初めての経験だったので、貴重な経験となりました。これまではあまり英語母語話者のデータを研究対象としたことはありませんでしたが、今回の経験を機に英語母語話者の日本語習得についても考えていきたいと感じ、研究の視野が広がったように思います。
蔭山先生、ハーバード大学の日本語クラスの皆さん、貴重な機会をいただきまして本当にありがとうございました!
次は私のイチ推し、ハーバード大学自然史博物館について報告します。
(植松容子)