授業とは、研究とは

<日文便り>

いま、2023年度の授業をすべて終えた状態にありますので、少し振り返りたいと思います。
もちろん基本はシラバスに沿って行われるのですが、受講者の様子や反応などを見ながら進めるため、盛り込んでいく内容はそのつど新たなものも入っていきます。
最近読んだ本や論文を紹介したくなって、それを授業の中にすぐに入れる場合もありますし、もっと〇〇について考えたい、といった声とともに、良い意味で思いがけない方向に進んでいくこともあります。
また、私自身が現在研究していること、関心のあることを授業で行っているわけでもあるので、それをいざ論文を書くとしたら、いま考えていることが自分の中だけで完結するのではなく、どれだけ他者に伝わり、説得力を持ち、生きた議論となっているのか、受講生の意見を聞きたくなりますし、実際にそうした場になったりもします。
つまり当然のことですが、シラバスに沿いつつも、答えの出ている決まりきったことをなぞっているものではありません。それはどの授業もそうだと思いますが、こちらも受講生も日々学んでいますので、議論がどんどん発展することがありますし、それが理想です。
タイトルに、授業と研究とわけて書きましたが、本来つながっていて相互的なものであるし、受講生と教員も影響を与え合う関係性であって、それがあるべき姿だと思います。
毎年、それが充分に出来ているのか、もっとああすれば、こうしていれば、となりますが、次年度もまた、良い形を目指していきたいと思っています。

山田夏樹