シナリオ・センターの新井一樹氏を招いて「シナリオ講座」を2回にわたり行いました。
1回目は「シナリオの考え方、つくり方の講座」を行いました。シナリオ作りで大切なこととは何でしょう?という質問から始まり、それを体験するようなワークも行われ、参加者たちは脚本作りを知識だけではなく身をもって感じることができたようです。
本を読むことも書くことも好きな日文生ですが、「面白い」小説はどのように書かれているのか、心に残る物語を書くためにどうしたらいいのか、それを知っている人は多くありません。それをシナリオのプロから直接ご講義いただけたことは大きな意義があると思います。参加者たちの目的はひとそれぞれですが、みなさん執筆や読書に興味をもっている方ばかりでしたので、講座が終わった時、90分間があっという間に終わったかのような満足感、あるいは時間が足りず次が待ち遠しいような切望感、そんな表情をしておりました。
2回目は1回目を踏まえた「そのシナリオの考え方を応用した講座」です。「その」という部分に新井氏のことばのセンスが感じられます。
1回目を振り返り、物語に重要な項目を再確認した上で、いよいよシーンを考えていきます。シーンの連続で長いお話ができることは1回目に教えていただきました。ワークではひとつのシーンを考えるものでした。大まかな台詞から考えてゆき、それを細分化して台詞と台詞の間に新たな台詞を入れていくということをしてみました。まずは個人で取り組み、書けたところでグループになり交換して読んでみると、あちこちから歓声が上がってきました。参加者に個性があるように、考える台詞にも個性が表れているようです。一つとして同じ物語はないのです。感想を言い合ったり、台詞を読み合ったり、初めて話したのにまるで親友のように打ち解けている二人組もいました。
2回目は応用講座ということもあり、講座の後半には就活に役立つシナリオの考え方をレクチャーしてくださいました。自分というキャラクターをストーリーに乗せて魅力的に自己PRをする、考えただけで楽しくなります。エントリーシートや自己アピール、個人面談で、パターン化されたお話しを聞いている採用担当の方に、あなたというキャラクターを印象付けて生き生きとしたガクチカを話してみましょう!きっと心を掴めると思います。
シナリオ講座は、日文の学生の学びの力になると企画しましたが、自己発信や表現力を磨く手助けにもなります。この講座で学んだように勉学だけでなく就職活動やコミュニケーションにも生かせそうですね。
受講者からのコメントです。
Yさん:与えられた設定に対し、参加者それぞれの解釈や構成が生まれてとても面白かったです。憧れ性や共通性を見出していくことで、魅力あるキャラクターになるのだなと感じました。気軽に参加しやすい雰囲気なので、また機会があれば参加したいです。
Uさん:面白いシナリオを書くことは才能のある限られた人にしか出来ないと思っていたため、シナリオを書くための技術や秘訣があったことに驚いた。また自分自身、創作活動の経験があり、納得のいくようなシナリオが書けないことに悩んでいたため、今回の講座を受けて新たなシナリオの書き方を学ぶことが出来て興味深かった。また、普段作家の方がどのような視点でシナリオを書いているのかを知ることができたため、好きな作品の見る目が変わり、さらに深く楽しめるようになった。
シナリオ・センターでも、今回の講座をブログに掲載してくださっています。
ぜひご覧ください。<シナリオ・センターのブログを読む>
川口