国際子ども図書館見学に行ってきました!

〈日文便り〉

図書館学課程では、定期的に図書館見学を行っています。
今回は上野にある国際子ども図書館を見学させていただきました。

国際子ども図書館は、明治39年に帝国図書館として建てられました。
当時は西洋に追い越せ追い付けとルネサンス様式が採用され、東洋一をめざしていました。

天然の石を切り出した土台の上にレンガが積まれたつくりで重厚感があります🧱

 

さて、中を見学させていただきます😊💨

まずはレンガ棟、子ども向けの絵本や図鑑がたくさん置かれている、「子どもの部屋」からです。
室内は光天井が明るく、あらゆる方向に光がさしています。
これは、絵本を読むときに自分の影で暗くならないようにという理由から設計されています。

隣には「世界を知る部屋」があります。
この部屋には、世界の様々な地域のことばで書かれた本がたくさんあります。日本で馴染み深い絵本が、様々な言語で翻訳された本が置かれている部屋です。ことばが翻訳されているだけではなく、ページをめくる方向や、挿絵も地域にあわせて変えられています。

特徴的なのは、本の表紙を見せるように配置されていること。
子どもの目に触れ、より多くの本と出会えるようにするためです。
配置のしかた一つとっても、子ども図書館ならではといえますね。

そして、通常は入ることはできない、書庫を見学させていただきました!
書庫に入る前、国立国会図書館では靴カバーを装着しました。(国立国会図書館見学ブログはこちら
国際子ども図書館は、汚れを吸着して取り除くマットの上を歩き、入ることになっています。
マット全体がテープのようになっていて、ぺったん!ぺったん!と音がなるほど吸着力がありました🧹
こうして汚れから本を守っているのですね!

国際子ども図書館には、昭和23年に定められた国立国会図書館法の納本制度に基づき、出版物のうち対象が18歳未満であるものが納本されます。

絵本や子ども向けの文庫はもちろんですが、読み聞かせで使う大型絵本も保管されています。
意外だったのは、学習ドリルやワークも保管されていたことです!
「未来のこれからの人にも、大切に保存しましょう」というお心がけのもと
これらは研究対象として大切に活用されています。

このレンガ棟は1階から3階まで吹き抜けになっています。ケヤキでできた扉や細やかな装飾が施された手すりは明治時代から使われています。

利用する子どもに配慮し、手すりには安全のためのガラスカバーが設置されています。

ケヤキでできた扉にある言葉、読めますか?

「おすとあく」です。
変体かなが使われ、漢字だと「おす登あく」。
日文生はわくわくしている様子でした。

最後はホールへとご案内いただきました。
このホールは天井が高く、音響が良いのが特徴で、音楽会や催しものの会場として使用されているそうです。

本当に天井が高~~~いです

昭和初期に増設され、帝国図書館時代に実際に使われていたものが展示してあり、当時の帝国図書館の使われ方を覗ける場所です。
当時は有料で回数券を購入していたようですよ!ぜひ展示されている実物を見に行っていただきたいです!!

また、天井には金属製のシャンデリアがあります。

このシャンデリアは、
戦時中の金属類回収例を受け、一度は回収されてしまいました。
しかし、回収直後に終戦を迎えたために無傷のまま戻ってきたのだそうです。

国際子ども図書館見学は、子ども向けの図書館としての役割だけでなく、建物そのものが大変貴重な歴史的資料です。
帝国図書館時代の歴史を随所に感じ、時代とともに変化していった様子がよくわかる見学でした。

図書館学を学ぶ学生は、すでに授業で図書館の歴史についてしっかり学んでいます。
しかしながら、実際に目で見てみること、触れてみることでより定着し、さらに図書館への理解が深まることでしょう。
見学終了後、参加した学生からすっごく楽しかったです!」「来てよかったですとの声を聞き、大変嬉しく思いました。
解散後もすぐには帰らず、気になる場所を見に行ったり、実際に本を手に取ってみたりと各々楽しんでいたのが印象的でした。

国際子ども図書館のみなさま、ありがとうございました。
来年度も資格取得に向け、頑張りましょう!

(図書館学課程)