中古文学ゼミ 授業風景

〈日文便り〉

こんにちは。日文の鵜飼です。
今日は4年生のゼミ(中古文学)の授業風景をゼミ生による紹介文でお届けします。
卒業論文提出に向け、大変な一年のはじまりですが、13名のゼミ生たちは活発に意見交換をし、古典文学の世界観を楽しんでいます。

演習では、『源氏物語』から一つの巻を取り上げ、ゼミ生各々が自身の分担箇所に関するレジュメを作成します。このレジュメは、担当場面における本文異同、語彙や文法の確認、風俗や慣習、現代語訳などについて調査したうえで、自分なりに問題点を見つけ考察を加えて発表できる形態まで作り上げます。授業ではこのレジュメを用いて担当のゼミ生が発表を行います。その後、発表内容の根拠や新たな考察などをゼミ生全員で考えていきます。

 本ゼミの魅力に関して、ここでは二つ紹介します。

 一つ目は、ゼミ生間での活発な意見交換です。本ゼミには、中古文学に限らず、基より他文学ジャンルに興味関心がある学生も所属しています。そのため、幅広い角度から中古文学に対する考察が立てられます。たとえ同じ場面を読んでいたとしても、読みの可能性が十人十色であることを実感する機会が極めて多いです。特に、レジュメ発表後の意見交換は、一人が発した意見に対して更に他ゼミ生が意見を述べるという形で進んでいきます。この意見交換は他ゼミ生の意見を知るのみならず、自身の考えを深めることができ、大変充実しています。また、授業後にもゼミ生間で自由に意見交換が続いている点も本ゼミの魅力であると思います。

 二つ目は、毎授業で先生からの丁寧なフィードバックがあることです。学生自身がレジュメ作成時に自信のなかった点や、レジュメ発表後の意見交換時に宙に浮いてしまった考察点などに対して、先生からゼミ生が盲点だった角度からフィードバック及び助言をいただいています。そのご指摘から、学生たちの思考がさらに深まる瞬間が目に見えてわかり、大変面白く感じています。

 以上、紹介したこれらの魅力は、ゼミ生がレジュメ作成時から作品へ真摯に向き合い、自分なりに考えを深めているからこそ生まれていると考えます。

 この令和の時代に1,000年以上も前から存在する文学作品と向き合う意義を日々見出しながら、ゼミ生全員で楽しく研究を進めています。

(中古文学ゼミ4年生 M・S)

(鵜飼祐江)