【物語の前に】
近年、卒業論文を課さなくなった大学、学科が増えてきました。
が、ここ日本語日本文学科は、最後の試練として卒論を書かせています。
20,000字で4年間の集大成をするのです。
3年から文学コース・言語コースに分かれ、ゼミに所属し、みっちりと鍛え上げられます。
私、笛木の3年ゼミは近代文学で、夏目漱石「三四郎」を読んでいます。
二人ずつ組んで章ごとに発表していきます。
【7月1日の物語】
さて、今日は夏目漱石「三四郎」の第五章。
三四郎が、美禰子や野々宮兄妹、広田先生と菊人形見物に出かける章。
有名な「迷える子(ストレイ・シープ)」を美禰子がつぶやく章。
さて、どんな発表が聞けるかな。楽しみ。
ぬぬっ、よし子の役割??
「三四郎と美禰子、二人きりの小川のほとり」でも「ストレイ・シープ」でもなく?
ずいぶん搦め手から攻めてまいったな。
「よし子は『一人の自立した素晴らしい人間』として、心からの尊敬と親しみを抱いた」、ときたか。いやいや、あくまで「東京の女学生」という枠内での敬愛だと思うけどな。
お、ここから美禰子と比べるのか。
よし子は「素直で対等な世界」、美禰子は「不透明で魅惑的な世界」、二人が対比となっていて、よし子が先に示されることで、美禰子が「強烈に浮き彫り」になる。いわば「引き立て役」。
ほほーっ、いいところ衝いてくるねぇ。
第五章は「三四郎がよし子という「平穏な安心」を自ら手放し、美禰子が投げかける「迷える子(ストレイ・シープ)」の世界へと盲目的にのめり込んでいく過程を描いた章である」
おお、やるなあ。うまいこと章の意味づけをしたね。
==ここからゼミ生たちは、2、3人のグループに分かれて質問を考えます。==
質問A ←発表者回答 質問B ←発表者回答 ……続く
なかなか厳しい質問だなあ、面白いぞ。
うん、発表者もしっかり作品を読み込んで答えているね。えらいぞ。
おや、ちょっと困っているかな。ヒント出すか。
ときどき質問を開いて、全員で考えたり、教員が解説したりして、
今日の章を丁寧に読み上げていきます。
よしっ、来週「ストレイ・シープ」だけ補足しておくか。
今日もいい発表、いい質問だったな。面白かった。
頑張ってるなー、私のゼミ生たち。
(笛木美佳)