先日のオープンキャンパスでは、「伊達政宗の誕生日はいつ?」という質問から体験授業を始めました。「伊達政宗 誕生日」とインターネットで検索すると、「永禄10年8月3日」と書かれたページもあれば、「1567年9月5日」と書かれたページもあります。さて、どちらが正しいのでしょうか。
ネットで調べきれないときは「図書館で調べてみよう」と思いますよね。図書館の蔵書検索で同じように「伊達政宗 誕生日」と検索しても、検索結果は思わしくありません。
なぜかと言えば、図書館の検索システムは、本に書かれているすべての文章を検索しているわけではないからです。「伊達政宗の誕生日」が載っている本を見つけ出すには、伝記、戦国武将の事典、日本史の年表、人名辞典といった「その情報が載っていそうな本」を探す必要があります。一冊とは限りません。種類の異なる資料を見比べると、それぞれの情報が何を意味しているかが少しずつ分かってきます。人名辞典を調べていくと「伊達政宗」は2人掲載されている場合もあります。
このように、「調べる」ことは「調べたいことが載っていそうな本を探す」ことから始まります。そして、探している途中で、調べたいことの周辺にある意外なことに出会うこともあるのです。
さて、伊達政宗の誕生日は当時の暦では永禄10年8月3日で、現在の暦でいうと1567年9月5日です。つまり、どちらも同じ日を指しているのですね。
私たちは、知りたいことがどの本やWebサイトに載っているかを、あらかじめ知っているわけではありません。そこで「どのような資料に載っていそうか」と予測しながら探していくのです。図書館では、本の内容を表す情報を付けたり、同じテーマの本を近くに並べたりして、本を探しやすくしています。このような本の整理や検索の仕組みを考えるのは、図書館情報学という学問です。
夏休みには、まとまった時間を使って受験勉強に取り組む人も多いと思います。正解を覚えるだけでなく、「なぜこの答えになるのか」「なぜほかの選択肢は間違いなのか」を考えてみてください。そして、自分が「なぜだろう」と思ったことについて、少し時間をかけて調べてみてください。
はっきりした答えが見つからないこともあります。資料によって説明が違うこともあります。そのときに、「なぜ違うのだろう」と考え、別の資料を探すことが、大事なのです。その違いを考えることが、大学での学びの入口です。
(熊谷慎一郎)