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日本語教育能力検定試験 合格者リポート [2021年01月06日(水)]

明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い致します。

新年初ブログは、「合格」という縁起の良いキーワードとともにお届け致します!
2020年10月25日(日)に実施された日本語教育能力検定試験に、4名が合格しました!

本試験は試験範囲が広範囲にわたり、大学での日本語教育科目の履修に加えて独学での自習なしには合格が難しい試験です。現役の日本語教師でも合格するにはそれなりの勉強が必要となる試験だといわれていますので、現場経験のない学部生にとってはかなりの難関と言えます。昨年度も学部生から合格者が出ましたが、今年も引き続き合格者を出すことができ、大変嬉しく思っております。

合格者4名のうち、日文3年生の加藤結実さんと、2020年3月に英コミを卒業した楢岡あゆみさんのお二人にZoomでお話をうかがいました。このお二人は、昨年の夏に実施した「日本語教育能力検定試験合格のための夏期講座」にTAとして過去問の解説を担当してくれた方々です。合格した感想、勉強のコツなど色々とうかがってみました。

 

 

 

Q1:日本語教育能力検定試験に合格した感想を教えてください!

加藤:合格することができ、とても嬉しいです。昨年の夏期講座への参加、そして今年の夏期講座でTAに挑戦して本当に良かったと思いました。
楢岡:合格できて本当に嬉しいです。夏期講座を受講したからこそ掴めた合格だと思っています。

Q2:試験勉強をする際に工夫したことがあれば、教えてください。

加藤:インプットは周辺知識と一緒に覚えたり、赤本(※注1)と大学の日本語教育課程の授業で用いたレジュメなども活用して授業と関連させて覚えました。夏季休暇頃からアウトプットを重視するようにし、過去問や赤本の問題を繰り返し解きました。問題から新たに得た知識などは、赤本に書き込んだり、過去問に付箋で貼り付けて後から確認できるようにしました。
楢岡:赤本や教材で学んだ用語の説明や内容をノートに自分の言葉で書き、それを何度も見返していました。音声問題のために単語帳に印刷した口蓋図を貼り、何の音かすぐに当てられるように何度も見直ししました。(※注1:「赤本」とは、ヒューマンアカデミー著(2009)『日本語教育能力検定試験完全攻略ガイド第4版』、翔泳社のこと)

Q3:ピアサポートTA講座は、どのような点で役立ちましたか?

加藤:第三者に納得してもらえるくらい自分の言葉で説明できるようにすること、問題は正答についてだけでなくそれ以外の選択肢が何故違うのかまで考えること、関連事項も押さえること、といったことが定着しました。
楢岡:TAとしての責任があったので自分が解説する個所はとことん調べ、勉強していました。ほかのTAの方の解説も工夫が凝らしてあり、自分で本やインターネットを使って調べるより内容がスッと頭に入ってきました。試験当日も、これは夏期講座で登場したところだからわかる!と自信をもって回答できました。また、様々な学科のいろいろなバックグラウンドを持つ学生に出会い(※注2)、言語や日本語教育の話などができたことも良い点でした。(※注2:「日本語教育能力検定試験合格のための夏期講座」は、主催は日文ですが、学科学年を問わず参加することができます)

Q4:合格を目指す後輩たちへ一言!

加藤:夏期講座は夏休み中にじっくり検定試験に向き合う良い機会になると思います。TAも、検定試験のためはもちろんですが人前で説明する力も付くので、ぜひ挑戦してみてほしいです。最後まで諦めず、頑張ってください!
楢岡:難易度が高い試験なので勉強するのは大変ですが、一生懸命取り組んだ分成果がきちんと返ってくる試験だと思います!頑張ってください!

日本語教育に興味がある方、ぜひ在学中にこの試験に挑戦してみませんか?
来年度も夏に夏期講座を実施予定です。皆さまの積極的なご参加をお待ちしています!!

(植松容子)

TUJ「 Capstone Japanese」授業内意見交換会 [2020年11月18日(水)]

<日文便り>

11月上旬に、日文生がテンプル大学ジャパンキャンパス(以下TUJ)の授業に参加し、
TUJ生による日文学生に対するアンケート調査の結果の発表を聞き意見交換をしました。
本授業はコロナ禍の影響もありオンライン(ZOOM)を通して行われました。
アンケート調査は予め行われたもので、30名以上の日文生が協力したものです。
このように様々なITツールを利用しながら、日文とTUJは連携して授業を実施しました。

以下、参加した日文生からの感想です。

TUJの方と交流するのは2回目でしたが、とても緊張しました。しかし、自己紹介の時に漫画などの趣味のお話で盛り上がり、とても親しみやすかったです。私は「リア友とネッ友の違い」についての発表を聞きました。その後の意見交換では、ネッ友についてそれぞれの考えを出し合ったり、自身の経験を紹介したりと、かなり充実した話し合いになりました。時間の都合で途中で抜けてしまいましたが、もっとお話ししたかった思うほど楽しい交流会でした。(IT)

私は初めてTUJの交流会に参加し、コミュニケーションをとりました。皆さんの日本語能力の高さには驚かされました。私のグループの発表の内容は「日本のリア友とネット友の違い」でした。日本での印象を調べていて、留学生ならではの視点がたくさん含まれているなと感じました。友達についての日本の選び方、在り方、更には他国からの友達についての在り方と差を分かりやすく調べていました。発表の内容は本当に素晴らしかったです。少し気になったのはやはり「正しい日本語の使い方」です。パワーポイントの文字はほぼ正しく書かれていたのですが、発表で日本語を話すとなると、「接続詞」や「助詞」の使い方が曖昧なところが見られました。確かに私も日文で学んでいて、日本の文法は難しいと実感しています。私自身もそういったことを日本語母語話者ではない方々に教えていきたいなと改めて感じることができました。本当に貴重な体験でしたありがとうございました。また参加していきたいと思っています。(YO)

TUJの学生との会話では、日本語・英語・ブルガリア語の三ヶ国語が話せる方がいたりその他にも日本では体験できないようなエピソードを聞かせてもらいました。TUJ=英語という印象が強かったが、楽しく交流することができました。初めて会う人同士でも会話が弾みました。またこのような機会があれば参加してみたいです。(KS)

TUJの皆さんのプレゼンのテーマが、「フィットネスジムの広がり」や「学習塾に通う子どものメンタルヘルス」など、私達も気になる日本の現状を調査していて、興味深い研究ばかりでした。様々な意見を交換し合い、とても楽しい時間を過ごすことができたと思います。(NT)

コロナ禍が長引く中で、ネットを通してTJUのみなさんと交流ができてうれしいです。大変な時期にも関わらず、みなさんが論文のため、どのくらいがんばってきたかが伝わりました。最後まで応援しています。(JS)

これからも日文とTUJの交流は活発に続いていきます!

(TK)

 

 

コロナ禍をのり越えるユーモア [2020年10月14日(水)]

<日文便り>

コロナ禍に見舞われて早くも半年余り、「ニュー・ノーマル」と言われる社会生活にも、オンライン授業にも、学生・教員ともどもすっかり慣れた感があります。ふり返ってみれば、教員も学生も、4月に突然始まった慣れないオンライン授業には、大きな負担を強いられました。朝から晩までコンピュータ画面と向き合い、電子情報と格闘する日々は、旧世代の私には厳しいものでしたが、それでも何とか無事に前期を終えることができました。後期からは一部の授業が対面で行われるようになり、キャンパスには学生の姿も見られるようになり、少し活気を取り戻しつつあります。

少し周囲を見回せば、仕事を失うこともなく、「辛い」と言いながらも本業を続けることができている私たちは幸運なほうです。街でよく利用していた店の扉にいつの間にか「閉店」の文字を見ることが何度かあり、飲食店などコロナ禍で大きな影響を受けた職種の方々には、本当にお気の毒な気持ちになります。コロナ禍は家庭生活や友人との関係にも影を落とし、息苦しさや寂しさを味わっている人たちも多いことでしょう。

そんな中、先日の「朝日歌壇」に、ほっとするような短歌を見つけました。選者は、本学卒業生でもある馬場あき子氏です。

 §コロナ禍で麒麟は来ないと呟けばアサヒあるよと妻は言いたり   及川 和雄
 §春過ぎて夏来たるらしマスク干す3密禁止の東海の島       中曽根儀一
 §「巣ごもりに短歌はいかが」と誘うからライバル増えて入選遠のく 貴山 浩美

                  <朝日新聞2020年10月9日(金)朝刊より>

文化には、未曽有の禍をも笑いに転じる力があるのだと、また明日に向かうエネルギーをいただいた気がしました。
(YN)

雨音の風景 [2020年07月23日(木)]

世界遺産である蘇州の拙政園には「聴雨軒」という建物があります。「軒」というのはもともと
貴人の乗物を指しますが、ここでは雨音を聴くために作られた屋根付きの空間を意味します。
建物の回りには大きな芭蕉が植えられており、「雨打芭蕉」という名曲に象徴されるように、
芭蕉葉に打ち付ける雨の音は、典型的な音の風景なのです。もちろん植えられている植物が芭蕉
でなければ、この部屋を「聴雨軒」と命名することはありません。

「聴雨軒」

「聴雨軒の周辺」

ふと「芭蕉野分して盥に雨を聴く夜かな」という松尾芭蕉の句が頭を過ります。三十八歳の時、
深川芭蕉庵での感慨を詠んだ一句です。野分は現在の台風です。庵の外では、激しい台風で芭蕉
の大きな葉がしきりにはためき、庵の内では、雨漏りを受ける盥に絶え間なく雨の滴りが落ちて
います。風の音と雨の音の二重奏に耳を傾けながら、芭蕉は自らも野分に揺れているような侘しい
境涯を噛みしめています。本来、庵外の芭蕉葉に聴くべき雨音を、庵内の盥に落ちる雨水の音に
聴き入るという趣向で、わび住まいの寂寥感が漂いながらも、雨漏りを楽しむ芭蕉なりの風流を
感じさせます。

ところで、『伊勢紀行』によれば、この句の前に

老杜茅舎破風の歌あり、坡翁ふたたび此の句を詫びて「屋漏」の句を作る。其の夜の雨を芭蕉葉
にききて、独り寐の草の戸

という前書があります。これによって、芭蕉は杜甫、蘇東坡の詩を念頭にこの句を作り、とくに
杜甫の「茅屋為秋風所破歌 茅屋秋風の破る所と為る歌」からヒントを得ていることが分かります。
杜甫の詩は七言を主にした古詩で、五十歳の時、成都で詠まれた作です。この詩では、台風で飛ば
された屋根の茅が悪童たちに持っていかれ、それを取り戻そうと追いかけた杜甫は力が尽き、
ため息をつきます。諦めて家に戻ってみると雨漏りがひどく、とりわけベッドの辺りには、

牀頭屋漏無乾處  牀頭 屋漏れて乾く處無し

雨脚如麻未断絶  雨脚 麻の如く未だ断絶せず

という有様でした。芭蕉研究の先学が指摘したように、二十句もあるこの七言古詩に芭蕉が興味
を示したのはこの二句だけではないかと思います。実は、杜甫の詩はこれで終わらないのです。
雨漏り描写の後に大きな夢を語りはじめます。頑丈で広大な建物をたくさん作って、貧しい人々
が台風や豪雨をも恐れず、安心して暮らせるような国づくりはできないものだろうかと訴えます。

このように、芭蕉の句には野分に揺れるようなわが境涯の侘しさを感じさせながらも、杜甫の詩
とは全く無縁のところで、盥に落ちる雨漏りの音に風流の面白さを見出しているように思われます。
芭蕉も杜甫も雨漏りに注目する点は共通していますが、表現しようとしたものが異なっていることは
明らかです。

梅雨空の続くこの季節、毎日降りしきる雨になかなか気が晴れませんが、古の文人たちの風流を
吟味しながら、雨の音に耳を澄ませてみると、また違う感覚が生まれてくるのかも知れません。

<SK>

日文オンライン交流会 [2020年07月15日(水)]

先日、日文では新入生・上級生のオンライン交流会を行いました。
ZOOMを使って自由参加型とし、全学年までが気軽に出入りできるようにしました。

「入学してからまだ一度も大学に行けていないため、漠然とした不安があった」という
1年生のために、それぞれのサークル活動や普段の過ごし方など学業以外のトピックも交えて
学生生活がイメージ出来るように話をしていきました。

4年生は「コロナ禍以前であっても、入学した年は無我夢中に目の前にあることをこなした。
とにかく焦らず、構えず学生生活を始めていこう」と新入生にアドバイスし、
3年生には就職活動の実体験を話したりと良い情報交換の場となったようでした。

1年生からは「大学生活や学寮研修の様子などを伺うことができ、不安が和らいだ」
と「今度はサークルなどトピックを絞った交流会を開催してほしい」など様々な感想
が寄せられました。

後期以降も日文の後輩が先輩に相談出来るような場、繋がれるような場所を設ける
べく試行錯誤を続けていきます。日文の皆さんにはどんどん活用していってほしいものです。

(KM)