ようきたなせい 椎葉村

こんにちは。仏教文化史ゼミ、修士課程2年の萩原さゆりです。

歴文の卒業生でもあります。

去る4月29日(金)、民俗学の渡辺伸夫先生のご厚意によりまして、宮崎県椎葉村に同行させていただきました。本ブログでもすでに渡辺先生が紹介していますが、「椎葉の民俗芸能 その伝承を問う」というテーマで記念講演、シンポジウムが行われ、夜の部では郷土芸能を堪能しました。

さて、私の役割はなんだったかと思い返せば、食事をおいしくいただき、椎葉のみなさんとお話をし、講演やイベントから現地のことを学んだということです。ただ、学ぶというより本当に楽しんでばかりでしたが(すみません!)、いくつか紹介します。

まずは椎葉の食について。

独活(うど)、野蒜(のびる)、薇(ぜんまい)、雪の下(ゆきのした)、蕗(ふき)…。

いや~、漢字で書くと難しいですね!これらは、椎葉でいただいた現地の山菜たちです。

野菜そのものの味が濃い分ちょっと大人の味ですが、栄養がギュッと凝縮したおいしさがありました。酢味噌や天ぷらでいただくと、より一層「美味」でした!

他にもやわらか~い鹿肉の刺し身や、香ばしくて弾力のある猪肉、季節の野菜や花を加えて豆腐にした菜豆腐(などうふ)等々は、椎葉ならではだと思います。

(写真:左はたくさんのぜんまい、右は鶴富屋敷で実際に使っているかまど)

     

宿泊したのは「鶴富屋敷」という、鶴富姫と那須大八郎の恋物語の舞台ともなった場所で、隣接する家屋は国指定重要文化財だそうです。建立約300年だとか!

そこのおかみさんが大変明るい方で、椎葉神楽調査団の一員だったころの渡辺先生についても楽しくお話していただきました。

講演では、内容も特色もさまざまな神楽が村内の20数か所の集落で伝承されていることを知り、驚きました。研究発表だけではなく、実際に神楽を舞っている皆さんからの質問も多く、活発な質疑応答となりました。印象に残ったのは、神楽の伝承について世代間でも意見に差があることや、今では理解できない難しい言い回しがわかるようになりたい、というような意見です。

私はくずし字を勉強していますが、昔の人はみなさん読めたのですよね。

う~ん、いつから難しいものになってしまったのでしょうか。

ただ、椎葉の自然環境の中で農業をしたり仕事をしたりしながら、普通に暮らす人々が伝統芸能を継承していることは尊いことですね。歴史文化を学ぶみなさんも、ぜひ時間があるうちにどんどん出かけて、たくさんのことを吸収していきましょう!!

(写真:嶽之枝尾神楽「宿借り」、旅人は実は山の神なのです)

 

(写真:椎葉はどこを見渡しても山、山、山!)