日本美術史担当の植松勇介です。
芸術の秋 ── 使い古された表現ですが、秋には各地で様々な展覧会が催されます。なかでも小生にとって特別なのが正倉院展です。
正倉院展は昭和21年(1946)から開催され、今年で64回目。小生は昭和62年(1987)から毎年出かけています。正倉院展には70点前後の宝物が出陳されますが、ひとたび出陳されると、10年は見られません。ですから、同じ宝物に再会すると、前回、前々回見た時に自分が何をしていたかも思い出されて感慨深いものです。
今年の目玉は瑠璃坏(るりのつき)。平成6年(1994)以来の出陳です。前回は紺瑠璃坏(こんるりのはい)と呼ばれていたような……展示ケースの前にはさすがに人垣ができていてゆっくり鑑賞というわけにはいきませんでしたが、コバルトブルーの輝きが印象的でした。この瑠璃坏が次に出陳される時、小生はどのような境遇にあるのでしょうね。
歴文の演習室に図録も購入してきました。近日中に配架されるはずなので、興味のある方はご覧ください。