心理学研究の中で、繰り返し検討されてきているテーマの一つが「ひとの個人差は遺伝によって決まるのか、環境によって決まるのか」という問題です。
1年生の必修授業の『発達心理学』では、入学して最初の授業テーマとして、遺伝―環境論争を取りあげました。
授業では、<心理学では、このテーマをどのような研究方法を用いて検討しようとしてきたのか>という視点から紹介しますが、それに先立って、宿題として、①自分はこの論争について、どちらの立場をとるか、②周囲の誰か一人(できれば、学生ではなく、年齢の離れているひとが望ましい)にも、どちらの立場をとるか尋ねる、を課したうえで、授業中にグループ討論をしました。
グループ討論では、「ひとの個人差は遺伝によって決まるのか、環境によって決まるのか」についての意見交換のみでなく、自分たちの考えの正しさを実証するための研究計画立案も試みました。
授業の後半は、グループで話し合ったことを、全体で共有するために、発表してもらいました。1年生ながら、堂々と発表する姿を、頼もしいと感じました。
入学してまだまもなく、最初は緊張していたようですが、自分と異なる考え方に接して刺激を受け、途中からは皆楽しそうに議論をしていました。
討論後の感想文を読むと、自分の考えを意識化すること、自分とは異なる人の意見を聞いたこと、そして、研究計画を立てる試みをしたことは、大学での学びのウォーミングアップになったようです。
討論についての感想をいくつか紹介します。
受講生の中には、他学科の学生もいます。他学科生の感想は、心理学科の学びの特徴を端的に表しているように思います。
(授業担当者:藤崎春代)
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