心理臨床面接実習の授業について紹介させていただきます。
この授業はグループワークや話し合いを中心に進められます。
例えば、一番最初のセッションでは、カウンセラー役・クライエント役・オブザーバー役に分かれて、カウンセリングのロールプレイングを行いました。その様子を録音しておき、ひとことひとことすべてを逐語録に起こし、その後のシェアリングに使用しました。このセッションで私は、心理カウンセリングは、普段友達の悩み相談に乗るようなものではなく、様々な技術や知識が必要とされるということを体験を通して学ぶことが出来ました。他にも、雑誌を切り抜き自分の好きなように張り合わせるコラージュ制作、履修者の中の1 人が表現した心の中の世界を、皆で心理劇で演じるなど、様々な実習を行いました。
各セッションごとに全体でシェアリングをし、自らの考えを発表したり、自分では考えつかないような他の人の意見をたくさん聞くことが出来ました。中でも、一番時間をかけて話し合いを行ったのが、箱庭療法や絵画療法を通したプレイセラピーの事例についてです。
箱庭療法とは、心理療法の一種で、砂が入った箱の中に、クライエントが自由におもちゃやフィギュアなどを置く療法のことで、言語化できないクライエントの心象がこの箱の中に表現されます。授業内では、初めに事例を文章と箱庭作品や絵の写真で読み解き、まず小グループで話し合いを行い、小グループで出た意見を全体でシェアリングしました。
また、事例について一通り話し合いが行われた後、事例が作った箱庭作品を、クライエントの気持ちになりながら、実際の箱庭やフィギュアを使って自分たちで再現するというワークも行いました。実際に自分たちで再現した箱庭を目の前にすると、写真や文章からだけでは気づかなかった点がその後のシェアリングで出てきたり、実際に作ってみなければわからないクライエントの体験や感情なども感じることが出来ました。
この授業では、様々な心理療法の実際を、体験や話し合いを通して学ぶことができます。また、実際に現場で心理療法を行っている先生方にご指導していただくので、将来、臨床心理士の資格を取りたいという人や、心理療法について興味がある人は、是非受講をお勧めします。
(3年 海老根)