10月14日(土)、東北大学の阿部恒之先生をお招きして、特殊研究講座「化粧の心理学」が開催されました。
化粧には実は長い歴史があって、古代エジプトのツタンカーメン王がくっきりとアイラインを引いていたように、昔はむしろ地位の高い男性が化粧していた、というお話には驚かされました。
化粧には美しくなるだけでなく、さまざまな心理的な効果があり、化粧療法というものさえ提唱されているとのことです。老人ホームに入居している認知症のおばあちゃんにお化粧をしてあげると、気分が明るくなったことや、積極性が増して身の回りのことが自分でできるようになるという結果が得られたそうです。
また化粧にはメーキャップとスキンケアという2側面があり、それぞれ心理的な効果が違うとのことです。朝は社会に向けてメーキャップして、学校や仕事に向かいます。朝の化粧は「はげみ」をもたらします。夜はメイクを落としてスキンケアします。夜の化粧は自分に「いやし」をもたらします。
化粧という日常的な習慣が、生理心理学や社会心理学に深く関わっていることを学びました。
(今城周造)