今年度の心理学科「特殊研究講座」が10月16日(土)に実施されました。
「特殊研究講座」は、学外の先生をお招きして最先端の心理学研究についてお話をうかがうもので、年に1回開催されます。今年度はオンラインでの開催となりました。
今回は、青山学院大学社会情報学部の高木光太郎先生をお招きして、「証言の心理学」をテーマにご講演いただきました。
高木先生は法心理学(Forensic Psychology)を専門としていらっしゃいます。
当日は、裁判や取り調べにおける被疑者の供述の信用性を心理学的観点から評価する方法について、先生が携わった実際の事件の事例を挙げながら、わかりやすくお話しいただきました。
学生のみなさんの感想から、興味を持って受講していた様子がうかがえました。
「今回初めて「法心理学」というものに触れてみて、心理学が裁判などに大きく役に立っているということを知った。取り調べや刑事裁判などは物的証拠などが主になってくると思っていたので、真実か虚偽かを心理学を用いて判断するということを知り、心理学の重要性を理解したとともに、より心理学を学ぶことへの意欲が高まった。」 (1年)
「証言の信憑性や法廷での発言を心理学観点からみる、というのは非常に興味深く、1時間半があっという間で楽しかった。実際の事件の話を聞く機会も、供述をどのように分析して、それが実際どのように法廷で用いられるかを聞く機会も滅多にないため、今回話されていたこと全てが新鮮であった。」 (2年) 「供述心理学※者の仕事は緻密にそして地道に積み上げていくものばかりで、私が想像する以上に大変だと思います。しかし、それが問題の最前線で盾となり、冤罪を防いだり助けを求める人の力になっていたりすることを知り、きっととてもやりがいの大きな仕事であるのだと実感しました。」 (3年) ※供述心理学…供述された内容の信頼性などの検証に心理学を活かす法心理学の一分野 |
今後も、特殊研究講座を通して、学生のみなさんの心理学への関心をさらに深めてもらう機会を提供したいと思います。
(「特殊研究講座」担当・野嵜)