今回は、『特性不安と状態不安が、注意の喚起機能、定位機能、実行注意に及ぼす影響』を研究テーマにした卒業論文を紹介します💁♀️
私たちは日々の生活の中で、様々な情報の中から目を向けねばならない情報だけに目を向け、それにすぐに反応できるよう心構えをしたり、不要な情報を上手く無視することが必要なときがあります。
そのようなメカニズムは「注意」と呼ばれています。また、「注意」は不安の影響を受けることが先行研究によって明らかになっています。
本研究では、Posner & Petersen(1990)が提唱した「喚起機能」「定位機能」「実行注意」の3つの機能的な側面から注意を捉え、Attention Network Test(Fan et al., 2002)という課題を用いて、特性不安(人の特性的な不安)と状態不安(その時の状態によって生じる不安)という2種類の不安が注意の3つの機能に及ぼす影響を検討しました。

検証の結果、特性不安が高い場合、状態不安が高いほど喚起機能(予測される刺激に対して反応準備を高めておく機能)が低くなることが明らかになりました。

(引用文献)
Fan, J., McCandliss, B. D., Sommer, T., Raz, A., & Posner, M. I. (2002). Testing the efficiency and independence of attentional networks. Journal of Cognitive Neuroscience, 14(3), 340–347.
Posner, M. I., & Petersen, S. E. (1990). The attention system of the human brain. Annual Review of Neuroscience, 13, 25–42.
テストや試合など不安を感じる場面において、やらなければならないことに集中できず、他のものに注意が向いてしまう経験をしたことがある人も多いかと思います。
私自身も、そのような経験をしたことがあり、なぜそのような現象が発生するのか疑問に思いました🤔
そして、やらなければならないことに集中できない原因には注意が関連していると考え、注意と不安についての研究をしたいと考えました💡
研究を行う上で大変だったことは、実験の準備です。Attention Network Test(Fan et al., 2002)は英語で作成された課題であり、教示文が英語であったため、日本語に訳して使用しました。
教示文を日本語訳する際には、原文から内容が変わらないように直訳した文章を使用しつつも、自然な日本語になるように先生やゼミのメンバーに読んでもらい修正をしました。
また、実験室の配置や、実験の流れを考えたりと細かいところまで設定することで、実験を行う際にスムーズに進行できるよう工夫しました。
心理学は日常生活の至るところに関わっています。
授業で学んだことを、自分の経験と結びつけたり、日常生活に例えたりして考えると、心理学を身近に感じることができて楽しいです。
研究を一人で行うことが難しそうだと感じるかもしれませんが、本学では心理学研究法やデータ解析などの授業を通して、研究を行うための力を着実に身につけることができます。
ぜひ、昭和女子大学心理学科で心理学を学ぶ楽しさを感じてみてください☺️
(4A・荒井)
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