心理学科・専任講師の岩山孝幸先生(臨床心理学分野)が、2月25日に開催された公益財団法人世田谷区保健センター様主催の研修会講師を担当しました。
当日は世田谷区内在住・在勤・在学者対象の「みんなで支えるこころの講座」として「心のサポーター養成研修」を行いました。
心のサポーターとは?
厚生労働省が推進している「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の構築に向けた事業の一環で、初期対応が行える地域住民として「心のサポーター」を育成し、2033年度末までに全国100万人の担い手が誕生することが目標とされています。
心のサポーター養成研修を受講するためには特別な資格は必要なく、誰でも受講可能となっています。
心のサポーターには、こころの病気の有無にかかわらず、みんなで助け合い誰もが安心して自分らしく暮らしていける社会を実現するために、メンタルヘルスに関する正しい知識と理解に基づき、家族や同僚などの身近な人に対して、基本的な話の聴き方(傾聴)👂️をもとにした初期対応を行うことが期待されます。
岩山孝幸先生は公認心理師・臨床心理士として、公認心理師養成カリキュラムに関する授業を主に担当しているだけでなく、長く精神科医療の現場で心理職としても働いています。

なお、公認心理師は法律で「国民の心の保持増進に寄与する」ために、
心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供を行うこと。(公認心理師法第2条第4号)
を業として行うことが定められており、今回の研修もこの一環として行われています。
岩山先生に、研修会の様子を紹介いただきました⬇️
研修会の内容
世田谷区では何度か開催実績がありますが、今回も早々に満員になったということです。
研修会では、
- メンタルヘルスやこころの病気に関する正しい知識を持つ
- こころの病気を持つ方たちの体験、リカバリーを知る
- メンタルヘルス・ファーストエイド※1を踏まえて、身近な人のサポートの仕方を学ぶ
を到達目標として、初期対応を担える人材を育成するため、講義だけでなく、当事者の方の動画や受講生同士のワークも交えながら研修を行いました。

※1…メンタルヘルス・ファーストエイド(Mental Health First Aid:MHFA)…メンタルヘルスの問題を抱える人に対して、専門家が支援を行う前に提供される支援のこと。欧米では国家プロジェクトとして教育現場などで一般市民を対象に教育プログラムが実施され効果をあげている。①リスク評価・②判断、批評せずに話を聞く・③安心、情報を与える・④サポートを得るように勧める・⑤セルフヘルプの5つのステップで構成される。
また、共通研修の他に、選択研修として「こころの病気について学ぶ」の内容も取り扱いました。
「こころの病気」といっても非常に多岐にわたります。したがって、1つ1つの症状を教科書的に解説するのではなく、症状そのものは私たちも普段感じるものであり、その症状が個人の自然回復力では対応できなくなった状態が「診断」される状態である、ということを強調してお伝えしました。
こうした解説を通じて、「こころの病気」と「健康」は明確に区別できるものではなく、誰しもが経験しうるものだという認識が広まり、偏見が少しでも減ることを願っています。
今後も、地域で初期対応を担える「心のサポーター」を養成できるよう、機会があれば積極的に研修講師を務めていきたいと思っています。
(心理学科・岩山 孝幸)
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