6月15日子ども向けワークショップ:学びのミライ(森秀樹ゼミ)

2025年6月15日(日)、森ゼミ3年生が8号館2階の幼児教育演習室にて、小学生向けのワークショップを開催しました。
今回は、マサチューセッツ工科大学メディアラボLifelong Kindergartenグループが開発したスマートフォン用プログラミングアプリ「OctoStudio(オクトスタジオ)」と生成AI「ChatGPT 4o」と「Suno」を使用し、「へんしん☆きせかえマシーン!」と「オリジナルキャラクターをつくろう!」をテーマに掲げました。小学生と大学生が一緒に、自分だけの作品づくりを真剣に楽しみました。

ワークショップの様子をご覧ください。
ワークショップのタイトルと紹介文章を入力して、音楽生成AI「Suno」で作成したワークショップの音楽もお聴きいただけます。


「へんしん☆きせかえマシーン!」

OctoStudioを使って簡単な操作で楽しくおしゃれを楽しめるワークショップです。
かわいい服やかっこいい服、アクセサリーをたくさん使って、自分だけのファッションを楽しみましょう!
https://suno.com/s/42dNOpRlgiwinlPn

「 オリジナルキャラクターをつくろう!」
生成AIで自分だけのキャラクターを生み出し、Octostudioで命を吹き込むワークショップです。
AIを使ったキャラクター制作からアニメーション、簡単な演出、そして物語づくりまでを体験しましょう!
https://suno.com/s/Vf4woCJgIpeZF9GF

ワークショップを終えた学生の感想です。

「へんしん☆きせかえマシーン!!」
オクトスタジオを使い、自分の好きな服や来てみたい服をきせかえる活動をした。どのタイミングで音を出すのか試行錯誤したり、さらに洋服以外にも周りに観客がいるなど場面設定にこだわっている様子が見られた。また、オクトスタジオは1人でプログラミングをし作品作りができるものだと思っていたが、プログラミングの中に身近な人を登場させたり、声を入れたりと周りと協力しながら作品作りができることを子どもから学ぶことができた。その他改善点としてはファッション図鑑が足らなかったため、洋服を吟味する時間や洋服のアイデアが足らなかったと感じた。次回のワークショップでは、人数に対して準備する数は合っているのか確認し、子どもたちにとって満足行く活動ができるようにしていきたい。清野紅葉

「へんしん☆きせかえマシーン!!」の活動で、自分が小学生の時に使ってこなかったアプリを小学生は普段の授業でも使っていたので、思ったよりもスラスラ進んだことに驚いた。あそこまで普段慣れていることを想定していなかったため、活動内容が単純に感じてしまう子もいたと思う。今回は個人作業がメインとなっていたので、次回は集団で何か作業することもいいなと感じた。また、1、2人の参加者に対してこちらが1人ついていたので、そこも念頭に置いて次回準備していきたい。高見澤明莉

『へんしん★きせかえマシーン』では、Octostudioを活用して、撮影した自分に着せ替えをするという活動を行いました。アイドル衣装や民族衣装、系統別の服装カタログなど様々な資料から好きな服を選び、「こんな服を着てみたい!」「こう動いたら面白いかも!」という自由な発想がどんどん広がり、スマートフォンの中でそれぞれ個性的な作品が生まれていく様子がとても印象的でした。作りながらどんどんと変えていったり、自分で仕組みに気づき次々と意欲的にに取り組んでいました。一方で反省点として、服を選ぶことに興味がいってしまい、想定よりプログラミング活動に時間を割けなかったことや、1つの資料に人気が集中してしまい待ち時間が発生してしまったことがあるため、今後のワークショップでは改善していきたいと感じました。中島悠那

今回ファッションブックとoctstudioを組み合わせて、きせかえを行うという活動を行いました。アイドルの衣装や民族衣装など、普段ではあまり着る機会のない洋服を子どもたちはワクワクしながら撮影し、自分に着せ替えしている様子が見られました。わたしたちのサポートなし octstudioを使ってさまざまな洋服を着た自分を動かしたり、で光らせたりと子どもたち自身でプログラミングをしており、子どもから学ぶことが多くありました。一方で、スマートフォンでは作業が行いづらかったり、ファッションブックの数が不十分だったりと改善点が見つかったため、時間のワークショップで生かしていきたいと思いました。一色紗耶

「オリジナルキャラクターを作ろう」

今回は、オリジナルキャラクターをChatGPTとOctostudioを用いて制作するという活動を行った。子どもたちはChatGPTに自分が作りたいキャラクターの特徴を打ち込み、自分が納得するまで繰り返しながら活動に取り組んでいた。また、Octostudioを使って、自分の作ったキャラクターを動かしたり、声を吹き込んだり、物語を作ったりという様子もみられた。一方で、Octostudioを使った活動に飽きてしまう子どもやキャラクターを作り、チェキにすること自体にこだわりすぎてしまう子どももいた為、今後改善の必要があると感じた。藤森美祐

自分が小学生の頃は生成AIやプログラミングアプリに触れる機会がなかったため、今の子どもたちがどれほど興味をもって取り組むのか気になっていました。実際にChatGPTでキャラクターを作り、そのキャラクターをOctoStudioで動かす活動では、子どもたちは自ら進んで楽しそうに取り組み、次々とアイディアを出す姿に驚かされました。「もっとここを変えたい」と工夫して作り直す様子も見られ、最後には「家でも作ってみたい」と言ってくれたのがとても嬉しかったです。一方で、キャラクター作りとチェキ作成に時間をかけすぎて、OctoStudioまで十分に進められなかった点が反省点だと感じた。鈴木ひより

ChatGPTでオリジナルキャラクターを作成し、それをOctoStudioで動かすという活動を行いました。さらに、作ったキャラクターはチェキとして形に残せるようにしました。子どもたちは、ChatGPTでのキャラクターづくりを楽しむ子、チェキの飾り付けを楽しむ子、OctoStudioの操作を楽しむ子など、それぞれ興味の方向に違いが見られました。その多様な興味を尊重しつつも、活動の目的を明確にし、時間ごとに区切って進めることで、より充実した学びと体験につながると感じました。日高悠那

ChatGPTの使用については、スマホでのフリック入力が難しいこと、漢字変換や、画像生成のためのプロンプトを考えることが小学生には少し難しかったように思えました。しかし、慣れが早く様々なキャラクターを沢山作ってくれたのは嬉しかったです。オクトスタジオには慣れている子どもが多く、様々なプログラミングを使用していました。子どもによって時間をかける工程が違く、1時間半の中でプログラミングまで終わらせてしまう子ども、まだまだキャラクターを作りたい子どもなど進度に差が出てしまったので、1時間半みんなが充実した活動にできるような工夫が必要だと思いました。林天音

私たちはこれからも、「デジタルからアナログまで様々なツールを活用して、つくることを通じて学ぶ」をテーマに、多様なワークショップを実施していきます。子どもたちと共に、未来の学びのあり方を追求する中で、先日、ワークショップに参加されたお子さんの保護者の方から、心温まるエピソードを伺いました。

「ワークショップで作った作品が気に入って、写真と一緒に寝ています」

とても嬉しいお話をうかがえたのと同時に、ものづくりや表現を通じた学び、すなわちクリエイティブラーニング(Creative Learning)の重要性を改めて認識させられました。

マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者たちは、クリエイティブラーニングの背景にあるコンストラクショニズム(Constructionism : 構築主義)で、「個人的に意味のあるもの(Personally Meaningful Artifact)」を作ることの重要性を長年提唱しています。単に興味を持てるものづくりを超え、子どもたちが愛着を持てる作品をつくることは、もしかすると想像以上の深い学びへと繋がるのかもしれません。 森秀樹