初等教育学科では毎年、後期の授業の初めに
「特殊研究講座」を開催しています。
1年生から4年生まで学科の全学生が授業の一環として受講する講座で、毎年、教育や保育、子どもに関わるテーマについて講師の先生をお招きしています。
今年は、俳人の神野紗希先生をお迎えし、「俳句と子どもと言葉と世界」という題でご講演いただきました。
🍡神野紗希先生🍡
俳句の聖地、松山のご出身で、高校時代に「俳句甲子園」で俳句と出会い、ご自身も最優秀句を受賞され、その後もNHKの俳句番組の司会や選者を長年務められ、現代俳句の世界で活躍されていらっしゃいます。
昨年、新しい俳句雑誌『noi(ノイ)』を、俳人の野口る理さんと創刊され、多くの若い人たちを導いていらっしゃり、精力的にご活躍されています。


講演では、俳句が身近な言葉のなかから生まれる詩型であることを丁寧にお話くださりながら、小学生のお子さんと過ごす日々のなかで掬い取られた「子どもの言葉」やそれがそのまま作品になった俳句について、その時の子どもの気持ちや驚きなどエピソードを交えつつご紹介いただきました。
語彙が少ないからこそ実感の深い、瑞々しい子どもの言葉の世界へと、導き入れていただきました。

受講した学生たちからは以下のような感想が寄せられました。
💖子どもの「素直な言葉」にハッとさせられた
「語彙が少ないからこそ出てくる純粋な言葉、その一言一言を大切にされていて素敵だと思った。私もその心を忘れずに接したい」
「見慣れた何気ない日常であっても、言葉の彩りを大切に添えることで、そこに隠された美しさや感情が鮮やかに立ち現れてきます。子どもならではの素直で豊かな視点に触れ、身近な世界を新鮮な目で見つめ直すことの大切さを学べる、とても温かいひとときでした」
「今この瞬間を生きていることのありがたさを改めて感じた。子どもたちの何気ない発言に気付かされることも多いのだと知り、今後子どもたちと関わっていくなかで、一つ一つの言葉を取りこぼさないようにしようと思った。また、こんなに短い詩の中からたくさん読み取れることを知り、詩の果てしない可能性を感じた」
🏫 将来、教育・保育の現場で活かしたいこと
「言葉を教えるだけではなく、子ども自身が感じたことを自由に表現できる環境をつくることも大切だと思う。今回の講座で学んだ、日常の中にある小さな発見を大切にする姿勢を、これからの実習や子どもとの関わりの中でも意識していきたい」
「教師が正しい表現に直すのではなく、子どもが何を感じてその言葉を選んだのかを大切にすることが、言葉の世界を広げることにつながるのだと感じた。将来、子どもたちが自分の感じたことを楽しみながら言葉にできるような授業をしてみたい」
「子どもが発信する言葉や表現を無視してしまうのではなく、子どもの一つ一つの言葉や表現に目を向けたり耳を傾けたりすることを心がけ、季節の移り変わりや小さな変化に一緒になって気づくことができるようにしていきたいと思った」
💡俳句を通して、新しい視点が見つかった
「特に心に残ったのは、『言葉を知ることで世界の解像度が上がる』ということだ。例えば、ただ『風が吹いている』と感じるのではなく、秋の風の冷たさや心地よさなど、さまざまな言葉を知ることで、今まで気づかなかったことにも目を向けられるようになる。言葉を知ることは、自分の世界をより細かく感じ取ることにつながるのだと感じた」
「保育者として、子どもの豊かな感性を受け止め、その意欲や楽しさをのびのびと活かせるような関わりをしていきたいと今回の講座を通して強く思いました。保育や教育について、専門的な見方で学んだり考えることは多いですが、詩から子どもの世界について考えることは初めてだったのでとても新鮮な時間で、気づきの多い時間になりました」
「俳句と聞いて、少し自分の生活から遠いテーマだと感じていましたが、子どもの姿を絡めてお話いただき、子どもの言葉の世界や、子どもの目線から見える景色を少し覗くことができたような気がしました。私はもともと子どもと言葉の関わりに興味があったため、とても素敵な学びとなりました。ありがとうございました」
「俳句の世界に浸ることで、季語を通して自然に触れ、知らず知らずのうちに季節の移ろいを感じていけることを、今回の先生の豊かな講義を通して知りました。俳句は言葉を学ぶだけのものではなく、子どもたちが身の回りの小さな変化に目を向け、自分なりの感性で世界を捉えていくきっかけにもなるのだと感じました」
普段、大人の言葉や視点から見過ごしていた子どもの世界、子どもと言葉のかかわりについて、それぞれに思いを寄せることのできる時間になりました。

また、神野先生が、季語についてのクイズや、俳句の一部を伏せて、「ここにあなただったらどんな言葉を入れますか?」など、学生がそれぞれに自分の想像を広げて考える時間も作ってくださり、学生たちの間で、俳句への親しみも生まれました。
「俳句は日常のちょっとした出来事の発見や幸せを言葉で表すことができる、ということを学びました」など、俳句を身近に感じたという感想も多く寄せられました。

私事ですが、私、藤本も俳句の世界に身を置いています。
神野先生に俳句を身近なものに導いていただいたので、私も、これから学生の皆さんとも一緒に俳句を楽しめる時間も作っていけるといいな、と思っています。
ご講演で気づいたこと、深めたことを、学生たちとともに、これからの子どもたちとの関わりのなかで糧としていきたいと思います。
神野先生、まっすぐで素敵なご講演をありがとうございました。
神野先生の出身地 松山は、俳人正岡子規ゆかりの地でもあります🍊
(初等教育学科 准教授 藤本夕衣)