福祉キャリア論 公共領域ゲストスピーカーをお招きして

こんにちは!1月9日(金)2限に行われた「福祉キャリア論」の授業では、世田谷区池尻あんしんすこやかセンター(地域包括支援センター)の主任介護支援専門員Kさんからお話を伺いました。

Kさん曰く、あんしんすこやかセンターの仕事は一言でいうと「つなぐ、支える、守る」こと。つなぐ機能は、相談を受けてその内容に応じてふさわしい資源(民生委員や医療機関、行政機関)につなぐこと、支える機能は介護が必要となるおそれのある人や認知症などの方やご家族が使える制度やサービスを一緒に考えること、守る機能は高齢者への虐待・消費者被害の防止や早期発見など判断能力の不十分な人の権利を守ること、と捉えていらっしゃいました。

このようなセンターの管理者として勤務されているKさんが、現在のお仕事に至るまでのキャリアや、現在力をいれていらっしゃる「まちの困りごとを考える会」の取り組み内容等について具体的にお話してくださいました。

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ご自身のキャリを振り返っての学生へのメッセージとして、「自分は表向き資格はたくさん持っている。しかし、資格は仕事に就くきっかけにすぎない。資格を持っていることが財産なのではなく、資格を活かして人とのつながりを広げられることが一番の宝なのである」とおっしゃっていたことが印象的でした。

また、「まちの困りごとを考える会」については、「支援者としてではなく当事者としてかかわることの大切さを感じている」とのこと。支援者としての限られた視野ではなく、まちに係る多様な人とかかわることで人々の生活をより広い視野で捉えられるようになったということでした。

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以下、受講学生の感想をご紹介します。

池尻あんしんすこやかセンター主任介護支援専門員のKさんのお話を聞き、「地域の一員」として働き、生きることについて貴重な考えを知ることができた。短大、4年生大学、通信教育、ボランティアなどで様々な経験をしたKさんの利用者とのかかわりのお話を聞き、利用者の「夢を叶える」ということが人とのつながりの上でとても魅力的であると感じた。自分も自由な身である学生のうちに、さらに多くの経験をしたい。また、「地域で働く」という意識について、実際に働くことにより見えてくるものが多くあると聞くことができたので、当事者として地域にかかわっていく姿勢が大切だと改めて感じた。今後、就職を考えるにあたり参考にしていきたい。(K.Aさん)

 

Kさんはいろいろな経験をして、現在のお仕事をなさっており、失礼な言い方になるかもしれないが、すべて絵に描いたようなレールを歩いてきているわけではなかったので、私はとても親近感が湧き、胸に響く言葉がたくさんあったように思う。中でも印象に残ったのは、「資格はその仕事につくきっかけにすぎず、その資格を生かすか殺すかは自分次第」という言葉だ。私は資格を取れれば就職活動に使えるし、それで満足だと思ってしまっていた。しかし、資格という肩書だけではいけないと感じた。そしてKさんが何度もおっしゃっていた「人とのつながり」を大切にして、学生のうちから色々な視点を持っていこうと思った。(I.Tさん)

 

今回のKさんのお話を聞いて、三宿池尻まちこま会でのお出かけサポートという活動を知った。地域にあるデイサービスセンターと住民ボランティア団体が、買い物等で外出することに不便・不安を感じている高齢者のために、朝夕の送迎時間以外の空いている昼間を利用して車で繁華街まで送迎しているということで、とてもよいアイデアだと思った。Kさんはたくさんのボランティアを経験し、それがその後の仕事に活かせていると聞き、様々な経験をすることが大事だと思った。そして「人とのつながりを広げられたことが宝」という言葉から、今後どの職業につくとしても様々な経験をし、様々な人とかかわることが大事だと思った。(T.Mさん)

 

親しみやすい語り口調で、常に学生と目線を合わせ、専門職としてのご自身の歩みと新しい公共性についてわかりやすくお話しいただいたKさん、お忙しい中本当にありがとうございました。