平成27年度 第2回特殊研究講座が行われました。

昨日10月21日(水)には、今年度第2回特殊研究講座が開催されました。
今回は、千葉明徳短期大学教授・山野良一先生をお招きし、「子どもの貧困を考える」というテーマでお話していただきました。

山野先生は、児童相談所での児童福祉司として15年以上に及ぶ実践やアメリカ大学院での学びなどを通じ、様々な課題を抱える家族とその子どもの現状や支援について考察されてきました。2010年には、数人のメンバーとともに「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワークを設立し、現在は世話人も務めておられます。

著書『子どもの最貧国・日本―学力・心身・社会に及ぶ影響』(光文社新書)は、子どもの貧困の実態と問題提起の書として広く読まれています。

講演では、山野先生の経験を踏まえ、日本の子どもの貧困の実態や貧困解決策についてお話していただきました。

以下は、講演を聞いた学生の感想です!

こんにちは。福祉社会学科1年の樋口です。

今回、山野先生のお話を聞いて、印象に残ったことを書きたいと思います。
それは、子どもの貧困と虐待、教育は切り離すことのできない関係にあるということです。貧困家庭のために、学校に通うことができず、働いている子どもがいると聞いた時は、とても驚きました。

では、なぜ豊かな国と言われている日本で勉強したくてもできない子どもが存在するのか?

今まで私は、経済的困難のために学費が払えないから、だと思っていました。しかし、それだけが問題なのではなく、日本の教育費制度に答えがあるのだと、今回お話を聞いて知ることができました。

日本は他の先進国に比べ、公的教育費支出が少ないため私的教育費の負担がとても多く、さらに、奨学金制度も乏しい状況です。北欧諸国など教育費制度が充実している国では、子どもの貧困や虐待問題が少ない傾向にあると知り、日本の子どもの貧困を解決するには、教育に力を入れるべきだと分かりました。お金がなくても学べる環境や生活していける社会作りが必要であり、そのためには、直接の支援や援助の方法を考えると同時に、根本的な社会構造や制度面にも目を向けアプローチしていかなければならないのだと感じました。

子どもの貧困対策に関する大綱の目標である、「すべての子どもたちが夢と希望を持って成長していける社会の実現」が一日でも早く叶うことを願い、将来、山野先生のように子どもの人権のために精力的に活動できるよう、大学での学びを大切にしていきたいと思いました。

聴講した学生からは質問が挙がりました

山野先生、ありがとうございました!