北欧福祉研修6日目

9/1 今日は保育士育成大学UCCと王立病院を訪問しました。
UCCは2007年にコペンハーゲン市内にあった9つの社会事業、教育分野の大学が合併して建てられました。現在は1万人の学生が保育士(ペタゴー)や小中学校の教師、ソーシャルワーカーの資格取得を目指して勉強しています。教育期間は3年半で、最初の1年は子どもの精神、心理、社会性、コミュニケーション、発達などといった座学での学び、そこから保育者としてどのように子どもと関わるかを考える期間です。最後の2年半は専門分野に分かれ、実習中心とした勉学になります。実習の時間はかなり多く、給料も少しながら出ます。実習生も現場での大きな担い手として、また1つの仕事として重要視されていました。
卒業後は、3つの分野に分かれます。保育所、青年期を対象とした施設、障害者施設のどこかに就職をします。分野は、3年半の間で考え、自分に合ったところはどこなのかをじっくり見つめます。
実習時間が長いことに驚きましたが、それくらい保育士という存在が、保育所にとってまた、デンマークにとって大きな存在であるということが分かりました。

午後は、王立病院で医療ソーシャルワーカーをされている方2人のお話を聞きしました。
小児がんを抱えた子どもとその家族のサポートをしているソーシャルワーカーと、出産前の妊娠時からの母親の心理ケア、また出産後の子どものケア、少し課題がありそうだという家庭の母と子、またその家族のサポートをしているソーシャルワーカーのお話を聞きました。ソーシャルワーカーが1日に受ける相談件数はその日によって異なりますが、年間200から300件といったケースを受け持ち、かなり多忙な日々を送っているとおっしゃっていました。1人の患者さんを見るとき、その患者さんだけを見るのではなく、他職種で連携をとることで、その家族での問題や家庭環境を見ていくことが重要だということも学びました。その連携チームには、2人の医者、4人の助産師、1人の心理士、1人ソーシャルワーカーがチームとなって患者さんに関わり、サポートをしていきます。この中の1人の職種が患者さんに携わっても問題解決には至らず、色々な資格を有する専門職が多方面から見ることで、きめ細やかなケアになっていきます。
私は医療ソーシャルワーカーに関心があり、今回王立病院を視察できて良かったです。ソーシャルワーカーが患者さんに対してどのようなアプローチが大切なのか知ることができました。

1枚目の写真はUCCです。
2枚目の写真は王立病院で医療ソーシャルワーカーのお二人と撮った写真です。(2年 Y.A)