福祉社会学科では4種類の国家資格取得に向けて,入学時から社会福祉士,精神保健福祉士,保育士,言語聴覚士どの道を目指すか決めています。実際に2つの資格を取得した方の話を聞き,その努力に感心しました。
さて,今年度4名の教員が福祉社会学科に加わりました。4名はそれぞれ上記4領域の専門職養成に携わっています。
私は社会福祉領域を主とする川﨑愛と申します。
子どもの頃からルポルタージュを読んで,貧しく弱い立場の人ほど生存が脅かされる社会に怒りを感じてきました。大学は差別や貧困を学ぶために社会福祉学科に入学しました。
以後,大学院の途中で学ぶ側から教える側の助手となり,現在に至ります。大学生の途中まではルポライターやジャーナリストに憧れていました。大学教員になった後,慧眼のルポライターに,いい仕事をしていても女性は出産などがあるとフリーでの活動は厳しくなる,研究者というのは最良の選択だったと言われて,励まされました。
学生のときに自分で依頼して実習に伺ったハンセン病療養所の入所者からは多くのことを教わり,約20年にわたって書いてきた論文をまとめて昨年出版することができました。
コロナ禍での執筆作業は,微弱な感染症であるハンセン病を発病した人,その家族になされた贖いきれない過ちを追体験するような時間でした。出会った方への敬意が促進力となりました。
今後も社会に届きにくい声を聴いて,授業や論文でお伝えしていかれるよう学び続けていきます。皆さんの視野を広げるきっかけをつくるひとりになれたら,と思っています。